2023年1月13日
乳歯はいずれ抜け落ちる歯なので、虫歯になっても放置されがちです。“使い捨ての歯”という認識が強いためか、手入れが不十分になっているケースも珍しくありませんが、それはとても危険であることを知っていただきたいです。
まず、乳歯の虫歯を放置すると、周囲の歯に感染が広がります。乳歯は永久歯よりもやわらかく、虫歯リスクが高いのです。多数の歯が同時に虫歯になる「ランパントカリエス」という病態を引き起こす可能性もゼロではありません。ランパントカリエスでは、噛み合わせが崩壊することで、日常生活はもちろん、顎の発育にまで深刻な悪影響が及びます。
乳歯の虫歯が1本であっても、重症化させるとすぐ下に控えている永久歯の発育を阻害します。歯の根っこの先から漏れ出た細菌や汚染物質が永久歯の形成を妨げるのです。これを専門的には「ターナー歯」と呼び、永久歯のエナメル質の形成不全をもたらします。
乳歯の虫歯が重症化して自然に抜けたり、治療で抜いたりした場合は、永久歯列の歯並びに乱れが生じやすくなります。乳歯が予定よりも早く抜けることで、永久歯が生えてくるためのスペースが塞がれてしまうからです。その結果、生じやすいのが叢生(そうせい)である乱ぐい歯です。
このように、乳歯の虫歯は永久歯列に多大な悪影響をもたらすことがありますので、「どうせ抜けるから」という認識は改め、永久歯と同様、もしくはそれ以上に大切なものとしてケアすることが大切です。乳歯はどうせ抜けてしまうからと考えずに、虫歯にならないように気を付けましょう。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。