2020年11月24日
入れ歯はとてもデリケートな装置なので、ケア方法に配慮する必要があります。まず、入れ歯の汚れを取り除く際には、歯ブラシではなく、義歯ブラシと呼ばれる入れ歯専用の清掃器具を用いましょう。歯磨き粉を使う必要はありません。研磨剤入りの歯磨き粉を使って、ゴシゴシと強圧でブラッシングすると、入れ歯に傷がついてしまいます。
保険診療の入れ歯は、原則としてレジンが用いられます。とくに義歯床に用いられるアクリルレジンは、ダメージを受けやすいので注意しましょう。レジンの表面に傷がつくと、汚れが溜まりやすくなります。そこで真菌や細菌などが繁殖するため、口臭が発生する原因となります。口の中にカビが生える口腔カンジダ症を引き起こすこともあります。
アクリルレジンは、熱への耐性も低いです。良かれと思って熱湯による消毒を行うと、義歯床の変質や変形を招きます。変形した入れ歯は口腔内への適合性が低下し、よく噛めない、ズレる、外れるといったトラブルへとつながります。入れ歯をゆすぐ際には、水道水で十分です。
ただし、そうした物理的な清掃だけでは、入れ歯の汚れを取り切るのは不可能です。入れ歯を清潔に保つには化学的な洗浄も不可欠であり、入れ歯洗浄剤の使用が求められます。とはいえ、入れ歯洗浄剤は使い勝手の良いものが市販されています。取り扱い方法をよく理解した上で、入れ歯のケアに活用しましょう。
このように、入れ歯のケア方法を誤ると、装置の寿命が縮まるだけでなく、お口の健康にまで害が及びます。入れ歯はお口の一部でもあるため、毎日丁寧にケアしてあげましょう。今お使いの入れ歯が合わない、汚れやすいといったトラブルに見舞われている場合は、ケア方法に問題があるかもしれませんので、まずはお気軽に当院までご相談ください。入れ歯や口腔ケアの状態を精査した上で、トラブルの原因を突き止めます。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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