2020年12月9日
入れ歯が合わない、使いにくい、といった理由で「入れ歯安定剤」を常用している方もいらっしゃることかと思います。入れ歯安定剤はドラッグストアなどでも手に入り、手軽に不具合を調整できることから、安易に使っているケースも少なくありません。しかし、それは入れ歯安定剤の使い方としては正しくないため注意が必要です。
そもそも入れ歯安定剤は、常用するものではなく、応急処置的に使用するものなのです。入れ歯に不具合が生じたものの、すぐには歯科を受診できない場合にご使用ください。あるいは、歯科医師から入れ歯安定剤の使用を勧められた場合に限り、活用するようにしてください。
入れ歯安定剤が便利だからといって、長期間使用すると、かみ合わせに変化が現れてしまいます。顎の骨が痩せたり、入れ歯そのものに新たな不具合が生じたりするなど、さまざまなトラブルを引き起こしかねません。とくにシリコーンで加工されているコンフォート義歯などは、入れ歯安定剤を使用することができません。入れ歯安定剤の粘着性によって、シリコーンが剥がれてしまうからです。
それでは入れ歯の対処法はどのようにすればよいでしょうか。入れ歯というのは、摩耗や変質、顎の骨の吸収などによって、適合性が低下していくものです。それは入れ歯を使用している上で避けることのできない変化といえます。低下した適合性は、入れ歯の調整、あるいは新製によってのみ解決できるものであり、入れ歯安定剤の使用は対症療法でしかないということを知っておいてください。
薬局やドラッグストアには、たくさんの入れ歯安定剤が並んでおり、日々新しい商品も開発されています。そのため入れ歯安定剤は常用するものと誤解されている方も少なくなりませんがそれは間違いです。入れ歯が合わない場合は、まず歯科医師に相談するようにしましょう。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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