2021年4月5日
最近、口腔機能が正常に発達していない子どもが目立つようになってきたと言われています。口腔は「食べる」だけでなく、「飲み込む」「呼吸する」「話す」など、多様な機能を担っています。これらの発達に異常が生じるものを口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう)といいます。
例えば、咀嚼(そしゃく)する時間が長い、飲み込む時に舌の突き出す仕草が見られる、言葉を上手く発音できない、標準よりも体重が極端に低い、などの症状が認められる場合は、口腔機能に発達不全が生じているかもしれません。
これらの症状の多くは、歯並びやかみ合わせの異常に由来しています。歯列不正や不正咬合があると、食べ物を上手く噛めず、そしゃく時間が長くなります。食べる量が減って、痩せ気味の体型になることも多々あります。その他、発音に障害が現れたり、口で呼吸したりするなどの症状も目立ちます。
逆に、口呼吸が原因で歯並びが悪くなることや、舌と突き出す癖があることで出っ歯や開咬を引き起こすこともあります。専門的には口腔習癖と呼ばれるもので、これらは相互に影響し合っているといえます。
ですから、発育期にいずれかの症状が認められる場合は、矯正治療に加え、口腔習癖を改善する治療も必要となります。唇をしっかり閉じる訓練、舌を正常な位置に誘導するトレーニング、正しい方法で飲み込む指導など、一見すると病気になった人が受けるリハビリのような治療に見えますが、発育期においては非常に重要な取り組みです。
なお、口腔機能発達不全症は離乳が完了する前の乳児も診断対象となりますので、気になる症状がある場合は、歯科医院で受診し小児歯科医のアドバイスを得ることが望まれます。
中野の歯医者 マナミ歯科クリニック
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