口臭が気になったら口臭外来のある歯科医院をお訪ねください
2019年4月4日
口臭は自分では気が付きにくい
他人の口臭が気になった経験のある人は95%もいるのに、気になったことを伝えた人は1割くらいという結果が、あるオーラルケアメーカーの調査で出ています。確かに、人の口臭が気になってもそれを指摘することは、なかなかできません。
口臭があるのに人には教えてもらえないことがほとんどということの裏返しで、自分には口臭があるのに他人は教えてくれないのではないかと気にする人もいます。確かに口臭を指摘する親しいパートナーの間でさえ難しいこともあるでしょう。
パートナー同士でも口臭を指摘しにくいこともある
自分の口臭が気になる人が多いので、手軽に口臭を測定できる口臭測定器が心煩されています。価格は数千円から高いもので数万円程度ですから、人に不快を与えないための身だしなみとして持っているのは悪くないかもしれません。
ただ、口臭の原因は一つではありません。生理的口臭といって朝起きたり、緊張したり、空腹の時は口臭が強くなるのは一般的な現象で、食事や飲料を摂ったり、時間が経つとなくなります。また、強い臭いのもの、納豆や餃子を食べて口臭があるのは仕方がありません。
そうではなく、何か疾患があって強い口臭が出ることがあります。呼吸器系や消化器系、肝臓疾患や糖尿病などが原因となることもありますが、病的疾患による口臭の80-90%は口腔内に原因があると言われています。
舌苔ブラシ
中でも舌に苔のようなもの(主として白い色ですが、黄色などもあります)舌苔(ぜったい)と呼ばれるものが口臭の原因ではもっとも多くみられます。舌苔は無理に取ろうとすると下に細かい傷が付きますます。舌苔は歯科衛生士に使用法の説明を受けて舌苔ブラシで取る必要があります。
舌苔の臭いは硫化水素を含む化合物を食物残滓を細菌が分解することで発生します。舌苔に次いで口臭の原因となるのは歯周病です。歯周病はメチルメルカプタンやジメチルサルファイドと呼ばれる化合物が臭いの原因となります。
舌苔、歯周病以外でも虫歯や虫歯の中の食物残滓、歯垢(プラーク)も口臭の原因になります。病的疾患による口臭の元の大部分は口腔内に原因があり、舌苔、歯周病、虫歯が三大主要疾患ということになります。
それでは一般に広く販売されている口臭測定器やその口臭測定器が口臭を示さなくすることを宣伝している口臭ケアの製品は口臭防止に意味があるでしょうか。実際には口臭ケア製品で無くなる臭いは食物その他による生理的口臭がほとんどです。生理的口臭は口臭ケア製品でなくても水でうがいをするだけでもかなり除去できます。
持続的に他人に不快を与え、そして自分自身のためにも対処しなければいけないのは病的疾患によるものです。そして、その大部分は舌苔、歯周病、虫歯といった歯科医院で治療が必要なものです。
当院は口臭外来を行っていますが。そこでは呼気の化学成分を精密に分析して、口臭の有無と病的疾患による口臭はその原因を特定します。口臭が気になる方は多いのですが、市販の口臭測定器や口臭ケア製品は問題の判別にも解決にもつながらないと思った方が良いでしょう。口臭が気になったら口臭外来のある歯科医院をお訪ねください。
呼気を精密に分析する口臭測定器
参照