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奥歯がないと前歯も失いやすくなる?

2024年8月13日

 

私たちの歯は、奥歯(臼歯)と前歯の2種類に大きく分けられます。どちらもかけがえのない器官であるため、毎日大切にケアしていく必要がありますが、どちらかというと奥歯の方が重要であるという結果が大阪大学歯学部の研究によってわかりました。

 

この研究では、いろいろなパターンの歯の失い方をしている患者さん94,422人を対象に調査を行い、「臼歯の咬合支持の低下が歯の喪失リスクを高める」ことを明らかにしました。つまり、奥歯をたくさん失っている人は、食べ物を砕いたり、すり潰したりする機能が損なわれ、歯列全体の噛み合わせのバランスが崩れてしまうのです。その結果、特定の歯に大きな負担がかかってその寿命を縮めるものと考えられます。

 

特筆すべきは、奥歯での噛み合わせが弱くなることで、前歯の残存歯における喪失のリスクが顕著に上昇している点です。前歯は、食べ物を噛み切るという機能を果たすと同時に、口元の審美性を担っている重要なものなので、奥歯よりも失いたくないという方が多いことでしょう。

 

そういう意味で前歯も奥歯も同等の価値を持った歯であることに変わりはないのですが、医学的には奥歯の健康状態、残存歯数、咬合状態の良し悪しが優先されると考えることもできます。なぜなら奥歯をしっかりとケアして、噛み合わせの状態も良好に保ち続ければ、前歯を失うリスクも大きく減少するからです。

 

ちなみに、私たちの歯の平均寿命は、前歯よりも奥歯の方が短くなっています。その中でも特に寿命が短いのが前から7番目の第二大臼歯で50年程度、前歯はいずれも平均寿命が60年を超えています。その点も理解した上で口腔ケアに取り組んでいくと、口腔内の健康を維持しやすくなることでしょう。

 

この研究では臼歯の咬合支持以外にも男性・歯周ポケットが深い・プラークの蓄積量が多い・喫煙者・肥満・歯科検診を受けていない・高齢者という点が歯の喪失のリスクファクターとなり得ることも示しています。

 

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