2023年2月15日
歯の表面にセラミック製の薄いシェル(チップ)を貼り付けるラミネートベニア。前歯の審美治療ではお馴染みとなっており、広く普及しています。そんなラミネートベニアを奥歯にも適応できることをご存知でしょうか?
前歯の審美治療でラミネートベニアが重宝される主な理由は、「歯を削る量が少ない」からです。具体的には、歯の表面を0.3~0.8mm程度削るだけでセラミック製の装置を装着できます。歯を大きく削るセラミッククラウンとは、比較にならないほど微々たる量といえるでしょう。
当然、切削の範囲はエナメル質内にとどまるため、歯の神経の症状が現れるリスクも限りなくゼロに近いです。シェルの厚みも1.0mm程度と極めて薄く、治療後に前歯部が不自然になることもありません。ただ、その薄さゆえにシェルが剝がれやすい・割れやすいという弱点があり、前歯部への適応が一般化しています。「付け爪みたなもの」という認識もありました。
そんなラミネートベニアは、正確な診断のもと、精密な技術を駆使することで、奥歯にも問題なく適応できることがわかってきました。本来であれば、歯の詰め物であるインレーや被せ物であるクラウンで対応しなければならない奥歯の症例でも、切削量を最小限に抑えられるラミネートベニアを適応できれば歯の寿命を延ばせます。高い審美性も期待できることから、奥歯の補綴治療に大きな変化をもたらす可能性を秘めているといえるでしょう。
ラミネートべニアが奥歯に使用できるようになった背景には、接着技術の進歩と同時にマイクロスコープにより非常に精密な歯の削減が可能になってきたことがあります。治療技術の進歩が付け爪のようなものから、削減量の非常に少ない被せ物へと応用分野を広げました。
「痛みを抑える」「削る量を最小限にする」「歯の神経を守る」ことが最近の歯科治療ではますます重要視されています。ラミネートべニアの奥歯への適用は、技術の進歩がそのような要望に応えた一つの例と言えるでしょう。
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