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子どもの歯列はすき間が大事?

2021年6月8日


 
永久歯列には、基本的に歯と歯の間のすき間は必要ありません。不要なすき間があると、食べかすやプラークなどが停滞しやすく、口腔衛生状態を悪化させることもあり、ケースによっては発音に影響を与えることもあります。
 
一方、乳歯列には、いくつか重要となるすき間があります。具体的には、霊長空隙(れいちょうくうげき)や発育空隙(はついくくうげき)と呼ばれるすき間です。いずれも乳歯が永久歯へと交換する際に消費されるすき間であり、正常な発育には欠かすことができません。
 
霊長空隙は、糸切り歯である犬歯の前後に認められるすき間です。上顎では犬歯の手前に存在し、前歯の交換に使われます。下顎では犬歯の後方に存在し、臼歯の交換に使われます。
 
発育空隙は、小児期に見られる生理的空隙のうち、霊長空隙以外のものを指します。その中でも特に重要なのが上顎前歯部に認められるすき間です。一見すると前歯がスカスカなすきっ歯に見えますが、治療が不要なケースがほとんどです。この時期を専門的には「みにくいアヒルの子の時代」と呼びますが、誰にでも生じるすきっ歯なので、ご安心ください。このすき間は、前歯の交換に使用されます。
 
その他、目に見える形のすき間ではないのですが、「リーウェイスペース」にも注目する必要があります。これは前から3~5番目の乳歯の大きさの総和と、同じく前から3~5番目の永久歯の大きさの総和の差を表す言葉で、一般的には乳歯群の方が大きくなっています。適切なリーウェイスペースが存在することで、永久歯への交換もスムーズに進みます。
 

 
逆に適切な隙間がない、あるいはあっても不十分な時は、小児矯正で永久歯の生えるスペースを確保する必要があります。小児矯正は一次矯正とも呼ばれ、小児矯正を行うことで永久歯が生えた後の矯正、二次矯正の必要を無くすことも可能なことがあります。小児の時から将来を見据えて歯並びを考えることは大切です。
 
 

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