2024年5月23日
歯並びの良し悪しは、一般の方でも何となく見分けがつきます。個々の歯が真っすぐ生えていて、U字型の歯列弓を描いている歯並びは、きれいという印象を受けることでしょう。一方、噛み合わせの良し悪しはそう単純ではありません。そこで今回は、正常な噛み合わせの条件について、中野区のマナミ歯科クリニックがわかりやすく解説をします。
噛み合わせの状態を判断する際、オーバーバイト(overbite)とオーバージェット(overjet)という2つの指標が用いられます。オーバーバイトは、噛み合わせの深さを表す指標で、上の前歯が下の前歯を2~3mmくらい覆っている状態が正常です。それよりも深くなると過蓋咬合、オーバーバイトが0mmは切端咬合、その値がマイナスになると開咬という不正咬合に該当します。つまり、オーバーバイトを見るだけでも、噛み合わせに関する重要な情報が得られるのです。
オーバージェットは、前歯の水平的な位置関係を表す指標で、上の前歯が2~3mmくらい間に出ているのが正常です。その値が大きくなると上顎前突、マイナスになると下顎前突に該当します。
噛み合わせの状態を評価する上では、第一大臼歯の咬合関係も重要な情報となります。具体的には、上顎の第一大臼歯の近心頬側咬頭(きんしんきょうそくこうとう)と下顎の第一大臼歯の頬側溝(きょうそくこう)が噛み合っている状態を正常な噛み合わせであるアングルⅠ級と評価します。ちなみに、アングルⅡ級は上顎前突、アングルⅢ級は下顎前突で、どちらも第一大臼歯の咬合関係で判断できます。
噛み合わせではもうひとつ「対称性」も重要なポイントとなります。顔の真ん中を通る正中線と上下の前歯の正中線が一致している状態が理想的で、左右どちらかにズレている場合は、噛み合わせや顎の位置に何らかの異常が認められます。
このように、噛み合わせの良し悪しというのは、きれいな歯並びとは異なる観点から観察する必要があります。噛み合わせの正確な診断は、歯科医師でなければ下すことができないため、ご自身の歯の咬合関係が気になる場合は、歯科医院でご相談ください。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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