2023年10月22日
歯をギリギリと擦り合わせる歯ぎしり。それ自体を深刻に捉えている人は少ないのですが、放置をすることでひとつ、またひとつと厄介な症状が現れることは確かです。最終的な歯ぎしりによって歯を失うこともあり得ますので、軽視はせずに改善に努めることが大切です。ここではそんな歯ぎしりで見られる10の症状を簡単に解説します。
歯ぎしりでは、歯と歯が擦れ合うギリギリ・ギシギシという雑音が生じます。そうした雑音は睡眠中に起こることが多く、一緒に眠っているパートナーや家族に迷惑がかかりやすいです。
歯ぎしりをしている人は、歯の表面が擦れて摩耗しています。厳密には咬耗(こうもう)と呼ばれる症状で、進行すると象牙質がむき出しとなります。
咬耗が進むと、冷たいものがしみるようになります。虫歯ではないのに痛いと感じる場合もあります。
噛んだ時に痛みを感じる場合は、歯根膜に炎症が起こっている可能性が高いです。
歯茎が下がるのは、歯周病だけではありません。歯ぎしりによる負担が歯茎にかかることで、歯肉退縮を引き起こすからです。歯が伸びたように見えるのも歯肉退縮が背景に潜んでいます。
歯ぎしりが習慣化していると、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)などが取れやすくなります。それは歯ぎしりによる圧力だけでなく、咬耗も関係しています。
歯ぎしりによる圧力は、成人男性で60~100kgに達するといわれています。エナメル質どうしがそれだけ強い力で接触し続けると、表面が割れたり、欠けたりすることがあります。
歯ぎしりによる症状の中でも歯根破折は極めて深刻です。歯を保存できないことも珍しくありません。
歯茎や顎の骨に過剰な負担がかかる歯ぎしりは、歯周病の症状を重症化させます。
歯ぎしりは、頭痛や肩こり、顎関節症の原因ともなり得ます。
場合により口腔内の健康だけでなく全身に悪影響を与える歯ぎしりですが、治療法というより対症療法としてはマウスピース(ナイトガード)の装着が主たる対応策でした。しかし、最近はボツリヌス菌製剤(通称ボトックス)で筋肉の緊張を緩める治療法が広がってきました。マウスピースは面倒で使用しなくなることもありますが、ボツリヌス菌製剤の注射は持続性があり、数回の注射を何か月おきかで行うことで、ほとんど完治する場合もあります。歯ぎしりの弊害が大きい場合は検討するべきでしょう。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。