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歯の値段は一本いくら

2019年12月22日

歯の価値の評価は人により様々



「あなたは自分は歯は一本いくらとお考えですか」こんな質問をされたた面食らってしまうかもしませ。ほとんどの人は考えたこともないのではないでしょうか。それでも無理に答えを聞くと10万円から30万円くらいという返事が多いようです。歯1本が100万円以上と考える人はあまりいません。

ただ、野球のボールが歯にあたって折れてしまったような場合は歯1本の損害賠償という話になります。傷は時間が経つと治りますが、折れた歯は戻りません。歯を失った時の損害賠償額になると、もっと大きな金額、例えば数百万円を考える人もいるでしょう。

日本人の歯を失う原因は事故などではなく、大部分が歯周病か虫歯です。歯周病はしっかり歯を磨き定期的に歯石のクリーニングを行うことが予防になります。3カ月に1度歯石取りをしている人が歯周病で歯を失うことはほとんどありません。

虫歯も「痛くなたら歯医者に行く」という典型的な受診パターンでは、虫歯の進行を5段階で表すと3段階目というかなり進んでしまっています。この時、唾液の防湿が不十分で歯の根の炎症を起こしたり、詰め物の隙間のために虫歯の再発を繰り返すと抜歯になる可能性が高くなります。

痛みが出る虫歯はラバーダムで歯を覆って唾液の侵入を防ぐことが必要



つまり基本的な予防やケアに努めていれば歯を失うことはほとんどありません。成人の歯は親知らずを除いて28本あります。1本の歯を失っても咀嚼力が大きく損なわれることはありませんが、いったん歯が失われると、挺出(ていしゅつ)といって、反対側の歯が伸びる現象が起きます。このため噛み合わせがずれていき、口腔内全体の状態が次第に悪化することにもなりかねません。

咀嚼に不自由になることは想像以上にQOL(生活の質)に大きな影響を与えます。日本では80歳で20本以上の歯を残すことを目指した8020運動が1980年代から行われていますが、8020を達成している人は同年代に比べて認知症の発症が半分以下になるという統計もあります。

日本人が歯を失う最大の原因である歯周病は、糖尿病と深い相関関係にあり、歯周病が糖尿病を糖尿病が歯周病を悪化させます。歯を失わないための口腔内ケアは生活習慣病の予防にもなるのです。

歯を残すことは高齢者の健康に大切



歯を失った時、もっとも天然歯に近い咀嚼力を提供できるのがインプラントです。しかし、インプラントは自費治療のためもあって、数十万以上の費用がかかります。そのインプラントも歯周病が進んだことで歯の土台となる骨の多くが失われていたり、生活習慣病が進むことで適用することが難しくなることもあります。

歯を失うことは、その時は小さなことと思えても、長い人生の健康や食の楽しみに大きな影響を与えます。歯の一本くらいと思って口腔ケアをおろそかにすることはとても危険なことです。28本の歯全体が咀嚼という一つの消化器官を作っていることを考えると1本の歯の値段は想像よりずっと高いのではないでしょうか。

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