歯周組織検査でわかること
2020年10月18日
歯周病の疑いがある人には、「歯周組織検査」というものを行います。歯周プローブとピンセットがあれば行える簡便な検査なのですが、歯周病に関するさまざまな情報が得られます。
歯周プローブを歯と歯茎の境目に挿入する「歯周ポケット検査」では、歯周ポケットの深さを測定することができます。歯周ポケットというのは、健康な人にも1~2mm存在するものですが、4mm以上になっている場合は歯周病の可能性が高いです。それぞれの歯によって歯周ポケットの深さも異なるため、1歯1歯ていねいにプロービングしていきます。
歯周病の進行防止のための歯石除去
歯周ポケットが深くなっていると、酸素の少ない「嫌気的な環境」が形成されます。歯周病菌の多くはそうした環境を好むものばかりなので、深い歯周ポケットには要注意です。歯周病治療には、ポケットの深さを減少させるための処置が多いのもそのためです。
歯石除去は専用の機器を使用する
プロービング後は。歯茎からの出血の有無も確認します。今現在、歯周病が進行している人は、歯周プローブによる刺激でも容易に出血します。これは歯茎に炎症が起こっている証拠でもあるのです。
歯周組織検査では、「動揺度の測定」も行います。歯科用ピンセットで歯をつまんだり、圧力をかけたりすることで、歯がグラグラと揺れ動かないかをチェックします。歯が動揺する場合は、歯槽骨の破壊が進んでいることを意味します。歯周病においてはかなり進行した症状なので、すぐにでも治療を開始する必要があります。
歯周組織検査で、比較的進行した歯周病が疑われる場合は、レントゲン撮影も行います。歯の根っこや歯槽骨の状態というのは、肉眼では確認できないからです。その上で最終的な診断を下して、歯周病治療へと進んでいきます。
デンタルレントゲンの撮影
このように、歯周組織検査はシンプルではあるものの、たくさんの情報が得られる有益な検査といえます。プロービングの際には少し不快な思いをするかもしれませんが、正確な診断を下す上で必要な処置となっています。