2024年11月9日
歯石とは、私たちの歯や歯茎の表面に固まって付着する、石のような堆積物のことを指します。歯石は見た目だけでなく、口の健康にも大きな影響を与えるため、しっかりと理解して対策をとることが重要です。
歯石は、口の中にいる細菌や食べ物の残りが混ざり合ってできる「歯垢(プラーク)」が硬化して固まったものです。
歯は主に石灰分(カルシウム成分)で構成されていますが、厳密には「ハイドロキシアパタイト」と呼ばれるリン酸カルシウムの結晶でできています。ハイドロキシアパタイトは非常に硬い物質で、骨の主要成分でもありますが、歯においてはさらに密度が高く、耐久性に優れています。しかし、歯は食事の時の時に酸性の物に接することで、ミネラル成分(主にカルシウムやリン)を失います。そのため唾液中にはミネラル成分(主にカルシウムやリン)が含まれており、それが歯の再石灰化を行います。
ところが、歯の再石灰化のために含まれているミネラル分は、再石灰化だけでなく、食べ物を食べた後に残っている歯垢(プラーク)に沈着もします。
歯垢は粘着性が高く、放置するとカルシウムなどの成分が沈着しやすく、徐々に硬い歯石へと変わります。歯石になると歯ブラシだけでは取り除けなくなり、次第に歯茎や歯周組織に影響を及ぼします。
歯石ができる主な原因は、歯垢が残ってしまうことです。食後に丁寧に歯を磨かないと、歯垢が徐々にたまり、時間とともに固まって歯石になります。また、歯並びが悪い場合や、奥歯の隙間が狭い場合など、磨き残しが起こりやすい部分には歯石がたまりやすくなります。さらに、唾液中のカルシウムやリン酸塩が多い人は、歯垢が歯石に変わりやすい傾向があります。
歯石を放置すると、歯や歯茎の健康に深刻な影響を及ぼすことがあります。主な理由としては次の3点が挙げられます。
歯石を取り除くためには、歯科医院でのクリーニングが必要です。自宅での歯磨きやフロスでは硬くなった歯石を取り除くことはできません。歯科医院では、専用の器具(スケーラー)を使って、歯石を物理的に削り取ります。この処置は「スケーリング」と呼ばれ、歯科医や歯科衛生士が行います。また、歯と歯茎の間に溜まった歯石も徹底的に取り除くために「ルートプレーニング」という方法も行われることがあります。
歯石ができないようにするためには、毎日の丁寧な歯磨きが重要です。歯垢が溜まらないように、食後の歯磨きを心がけ、歯と歯の間や歯と歯茎の境目も丁寧に磨きましょう。デンタルフロスや歯間ブラシを使うと、通常の歯ブラシでは届かない部分もきれいにすることができます。また、定期的に歯科医院でクリーニングを受け、早期に歯石を取り除くことも予防のためには重要です。
歯石は、歯垢が固まってできる石のような物質で、放置すると歯周病や口臭の原因となります。自分で取り除くことは難しいため、歯科医院で定期的にクリーニングを受けることが必要です。日々のケアと専門的なクリーニングを組み合わせることで、口の中を健康に保ちましょう。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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