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歯科治療で注意が必要な全身の病気と対処法

2024年9月1日

 

歯科では、風邪や胃腸炎、皮膚疾患などの診療とは異なり、多くのケースで比較的強い刺激を伴います。虫歯治療であれば歯茎に麻酔注射を打ったり、ドリルで歯を削ったりする必要があるのです。そのため事前に申告していただきたい全身の病気がいくつかあります。

 

第一に挙げられるのは、日本人の多くが患っている「高血圧症」で、血圧を下げる降圧剤を習慣的に服用している場合は、麻酔薬との相互作用に注意を払う必要が出てきます。また、高血圧症の方は治療中に血圧が大きく変動する恐れがあるため、重症例の場合は生体モニターで監視を行います。歯科治療当日に降圧剤を服用するかどうかは、内科医の指示を踏まえて決めることになります。また、高血圧症の方は、体調が比較的良好な午前中に歯科治療を受けるのが望ましいです。

 

重度の「糖尿病」を患っている方も歯科治療前の申告が必要となります。糖尿病は、感染症にかかりやすく、傷が治癒しにくい傾向にあるため、観血的処置(出血を伴う施術)を伴う歯科治療ではとくに注意が必要となります。歯科治療は血糖値が安定しているタイミングに行うことから、食事直前の受診は避けてください。食事と糖尿病薬の服用の時間を厳密に管理した上で、歯科治療に臨みましょう。

 

抜歯を検討中の方は「骨粗しょう症」に注意が必要です。骨粗しょう症の治療で服用するビスフォスフォネート製剤(BP製剤)は、抜歯後に顎骨壊死(がっこつえし)を誘発することが分かっています。そのため骨粗しょう症の方は、抜歯をする前に必ず主治医と歯科医師を交えながら、適切な治療法を検討しなければなりません。ちなみに、BP製剤を服用しているからといって、すべてのケースで抜歯が行えなくなるわけではありません。

 

「心筋梗塞」や「脳梗塞」を起こした経験があり、血液が固まりにくくなる抗凝固薬を服用している方も歯科治療で注意が必要となります。とくに心筋梗塞・脳梗塞を発症して3ヵ月以内は、原則として歯科治療を控えた方が良いといえます。

 

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