殺菌・滅菌・消毒・除菌の違いとは?
2020年8月19日
滅菌機、自動洗浄機などを備えた消毒、滅菌コーナー
殺菌や滅菌、除菌といった感染予防に関する用語が最近よく聞かれます。どれも似たような用語なので、混同している人も少なくないかと思います。こういった衛生管理に関する言葉を正しく理解しておくことは、ウイルスや細菌から身を守る上で非常に重要です。
まず「殺菌」についてですが、これは文字通り細菌を殺すことを意味します。ただし、どの細菌をどのくらい殺すかは、定義付けられていません。例えば、診療器具に付着した病原体の一部を殺しても、殺菌処理を施したといえます。
滅菌パックから取り出される治療器具
これに対し「滅菌」は、ウイルスや細菌、真菌など、あらゆる病原体を完全に死滅させることを滅菌と呼びます。つまり、使用済みの診療器具を滅菌するということは、感染リスクがゼロの状態へとリセットすることを意味するのです。
衛生管理では「消毒」という言葉もよく耳にすることがあります。消毒も病原体を殺すことを意味しますが、滅菌のように完全ではありません。例えば、傷口を消毒することがありますが、滅菌のような強い効果があったら、皮膚や内部組織にも悪影響が及んでしまいます。ですから、消毒というのは病原体をある程度殺すことを目的として行われる処置といえます。
真空状態から高圧高温蒸気で滅菌するクラスB滅菌機
最後に、「除菌」に関してですが、これはその他の用語とは大きく異なります。なぜなら、病原体を殺すという作用は期待できないからです。日常生活の中では、テーブルを布巾で拭く、という行為が除菌に当てはまります。あくまで物理的に病原体を取り除いているので、滅菌や消毒とは根本的に異なる行為といえます。
マナミ歯科クリニックでは、滅菌装置にはクラスBという真空状態にしてから、高圧高温の蒸気を吹き付ける高性能のものを用いています。これは、治療器具の細かいところまで、漏れなく滅菌を行う強力な機能を持っています。
また、院内の空気はウィルス除去機能を持つ空気清浄機で絶えず浄化されています。衛生管理、感染防止は各段階で様々な高機能の機器とドクターとスタッフの注意深い努力によって支えられています。