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気を付けよう!インプラントの歯周病ーインプラント周囲炎

2019年11月11日

インプラント周囲炎はインプラントの大敵



インプラントに興味をお持ちの方なら「インプラントは歯周病にかかりやすい」という話を一度は耳にしたことがあるかと思います。実際、インプラントは天然歯よりも歯周疾患を発症しやすい傾向にあります。そのため「インプラント周囲炎膜炎」や「インプラント周囲炎」という特別な病名も存在しています。

厳密にいうと、これらの病気は「歯周病」とは少し異なります。ただ、「インプラント周囲粘膜炎」は歯周病における「歯肉炎」、「インプラント周囲炎」は「歯周炎」とほぼ同じものと考えていただいて問題はありません。重要なのは、病気の原因です。

天然歯とインプラントを比較すると、「歯根膜の有無」という決定的な違いが浮き彫りになってきます。歯根膜は、歯と歯槽骨との間に存在する組織で、歯にかかる力を緩和するだけではなく、歯肉や歯槽骨へと血液供給も担っているのです。それが欠損したインプラントでは、自ずと歯周組織の免疫力も低下します。

インプラントの定期的なメンテナンスは欠かせない



歯周疾患は、歯周病菌に感染することで発症する細菌感染症であることから、免疫力の低下はそのまま発症リスクの上昇へとつながるのです。さらに、インプラント周囲病変は通常の歯周病よりも進行が速いことがわかっています。その速度はおよそ10~20倍程度といわれています。これもまた免疫力が低下していることに由来しています。

それから、インプラントは天然歯よりも歯垢や歯石などが沈着しやすい傾向にあることもまた、インプラント周囲炎などを引き起こしやすい原因といえます。もちろん、インプラントの上部構造は、セラミックなどで製作されていることから、比較的汚れが付きにくい傾向にあるのですが、インプラント周囲粘膜炎が進行し、歯肉の吸収などが目立ってくると、アバットメントやインプラント体そのものが露出します。そこに歯石等が形成されると、除去するのが極めて困難となるのです。

このように、インプラントは天然歯と比べると歯周疾患にかかりやすく、進行速度も極めて速いことから、適切なケアの継続が必須といえます。当院でも、患者さまには定期的なメンテンナンスを受けていただくよう、おすすめしております。インプラント周囲炎の治療法というのは、未だ確立されておりませんので、可能な限り予防することが大切です。

インプラントは天然歯と比べ歯肉炎にかかりやすい

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