2024年3月26日
矯正治療と言うと、歯列を整え美しい口元を作る、審美的な治療と考える方が多いでしょう。しかし、矯正治療は審美性だけでなく、口腔内の健康状態を高めるために大きな効果があります。むしろ、歯科治療は矯正治療から始まると言っても言い過ぎではないくらいです。
例えば、上のような歯並びでは、歯と歯の間に物が挟まりやすく、歯ブラシでも落ちにくくなります。このような歯並びを放置すると、どうしても歯周病や虫歯になる確率が高くなります。歯科治療費の高い欧米で矯正治療を受けることが一般的なのは審美的な理由より、歯の疾患を予防するという意味合いが強いのです。
上のように、前歯の部分が開いている、開咬(かいこう)と呼ばれる歯並びの場合、奥歯への負担が高くなります。結果的に、奥歯の歯髄(神経)を傷めたり、奥歯を支える歯茎が歯周病という形で損傷を受けやすくなります。このような歯並びを放置すると、奥歯から口腔内の環境が悪化していく結果を招きます。
インプラントで抜歯した歯を置き換えるような場合でも、歯列によってインプラントの効果が十分に得られない、インプラント歯が長持ちしないということもあり得ます。インプラントも本来は矯正で歯列を整えた上で実行することが望ましいたのです。
矯正は決して審美目的には留まりません。むしろ、全ての歯科治療の出発点であり、歯の疾患予防に重要な役割を果たします。確かに、矯正治療は時間も費用もかかります。しかし、歯の一生を考えれば、まず矯正治療を考える意味は大きいのです。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。