矯正はどうやって歯を動かすのか
2018年12月16日
矯正はマウスピースやワイヤブラケット使って歯を動かす
矯正治療は悪い歯並びを治すための治療です。歯並びが悪いと見た目が良くないだけでなく、プラークが付着しやすく、虫歯や歯周病になりやすくなります。歯科治療費が日本と比べ高い欧米で矯正治療が日本より普及しているのは、美的な理由だけでなく、歯科治療が必要になるリスクをできるだけ避けようとしているという理由もあります。
矯正治療には、歯にワイヤを(ブラケット)を装着する方法と、マウスピースを装着する方法があります。ワイヤは毎月調整で少しづつワイヤの形を変えて歯を移動させるのに対し、マウスピース矯正はマウスピースを2週間程度ごとに交換して、目標とする歯並びに近づけていきます。
ワイヤ矯正治療は毎月ワイヤの形を変えて歯を動かす
ブラケット矯正もマウスピース矯正も歯に圧迫を加えることで少しづつ歯を移動させます。ではどうして歯は移動するのでしょうか。歯は歯茎の中で歯根膜と呼ばれる膜に覆われて骨(歯槽骨)に固定されています。その歯が一定方向の力で押されると、押されている方の歯槽骨は吸収され、反対側の歯槽骨は逆に骨の造成が行われます。
つまり、矯正治療は歯の圧迫による骨の吸収と、造成により歯が移動することを利用しておかなわれます。この骨の吸収、造成は新陳代謝が行われている限り年齢に関係なく起こります。矯正治療には年齢制限があるとお考えの方もいますが、新陳代謝は年を取っても活発さは衰えてもなくなることはありません。実際、50,60歳で矯正治療行う例も少なくありません。
ところが、せっかく矯正治療を行っても後戻りが起きることがあります。その理由は歯と歯槽骨の間にある歯根膜は骨ではなく腱のような組織だからです。歯が一方での骨の吸収、一方での骨の造成があって移動すると、移動する方向の横歯根膜は移動する方向に引っ張られる形になります。そのため移動した歯には戻ろうとする力が加わるのです。
歯の移動を防ぐためにはリテイナーと呼ばれる下の画像のような装置を矯正終了後もしばらくの期間装着する必要があります。
リテイナーにはマウスピースタイプのものもあります。
マウスピースタイプのリテイナー
ワイヤ矯正、マウスピース矯正どちらも歯を動かす基本は同じですし、後戻り対策にリテイナー装着を行う必要があることも変わりません。