
2025年4月17日
数年にわたる歯列矯正が終わって、理想的な歯並びが手に入ったけれど、噛み合わせに違和感がある。食べ物をきちんと噛めない。そんな歯列矯正後の噛み合わせの違和感というのは、多くの方が経験する症状です。
特にブラケット装置を外した直後は、噛み合わせに違和感を覚えやすくなりますが、多くのケースでは、少しずつ馴染んでいきますので過剰に心配する必要はありません。歯列矯正の直後は、装置がなくなったことによる違和感に加えて、上下の噛み合わせが機能に応じて徐々に修正されていく面もあるからです。ただしこれは微調整の範囲にとどまり、明らかな咀嚼障害は含まれません。
そんな歯列矯正後の噛み合わせの違和感や噛みにくいといった症状が数週間から数ヵ月継続したり、食事に支障をきたしたりするようなケースは、そもそも奥歯の噛み合わせがずれている、後戻りが行っているといった問題が疑われます。
前者は、歯並びだけを整えて、噛み合わせの調整が行えていない可能性が高いです。その原因としては、治療計画の不備や歯科医師の技術不足が挙げられます。歯の主な役割は、食べ物を噛むことなので、噛み合わせに明らかな異常が認められる場合は、再矯正を検討した方が良いでしょう。
後者に関しては、不十分な保定が原因となります。歯列矯正が終わった始めの1年間は、保定装置を1日20時間以上装着しなければなりません。2年目以降も決められた時間、保定装置を装着しなければ、歯の後戻りが生じます。その結果、奥歯の噛み合わせが悪くなり、前歯の歯並びも乱れていくため、十分な注意が必要です。矯正後の後戻りが起こった場合も早期に対処すれば、症状を改善しやすくなります。
このように、歯列矯正後は噛み合わせの違和感が生じやすくなっていますが、自然に慣れていくのが一般的です。歯列矯正後の噛み合わせが“違和感”にとどまらず、食べ物が噛みにくい、噛んだ時に下顎の位置がずれるといった症状が認められる場合は、適切な対処が求められるため、まずは主治医に相談しましょう。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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