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矯正治療によるブラックトライアングル

2021年11月23日


 
歯列の根元付近には、「歯間鼓形空隙(しかんこけいくうげき)」と呼ばれるすき間が存在します。これは根元に行くにつれ、歯冠の幅が狭くなっていくからです。
 
正常な状態では歯間乳頭(しかんにゅうとう)で満たされており、空隙が目立つようなことはないのですが、何らかの理由で歯肉が下がると黒く抜けて見えるようになります。その症状が進行すると「ブラックトライアングル」にまで発展します。
 

 
ブラックトライアングルとは、文字通り黒い三角形として空隙で、歯頚部間を底辺として、隣接する歯の接触点が頂点となります。歯科医院には主に、審美障害を主訴として、ブラックトライアングルの治療を求める患者さまが多いです。
 
ブラックトライアングルが生じる原因は、加齢・歯周病・矯正治療です。年を重ねると、歯槽骨の吸収が進み、歯肉も退縮していきます。歯間乳頭の位置も下がることでブラックトライアングルが目立つようになります。
 
歯周病は、歯肉炎の段階であれば、歯肉の腫れによってむしろ歯間鼓形空隙が目立たなくなりますが、歯周炎へと移行すると歯肉・歯槽骨の吸収が進み、ブラックトライアングルが生じます。
 
そして意外に多いのが、歯列矯正が原因となって生じるブラックトライアングルです。とくに叢生(そうせい)が強いケースは要注意です。抜歯をした後に歯を正しい位置へとならべることで歯と歯の間隔が広がり、歯間鼓形空隙が目立つようになるからです。ただし、それが正常な状態であり、矯正によって悪くなったのではありません。
 
その他、「強いブラッシング圧」や「咬合性外傷」、「歯肉・歯槽骨が遺伝的に薄い」といった理由でブラックトライアングルが生じることもあります。そんなブラックトライアングルは、基本的に病気ではないため、積極的に治療する必要はありません。審美障害や発音障害、口腔衛生上の問題が深刻な場合は、何らかの処置が必要になることもあります。
 

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