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矯正治療の抜歯と非抜歯

2023年8月19日

 

矯正歯科の世界には矯正に伴う抜歯の必要性について、抜歯・非抜歯について論争と言っても良いほど意見が分かれることがあります。古くは今から100年以上前の1911年に初めて起こり、一定の結論が出たにも関わらず、今でも論争は周期的に起こっています。

 

結論からいうと、「矯正のために歯を抜くことは悪である」という考え方は、間違っているといえます。抜歯をすべきかどうかは、患者さんの歯や歯列、顎の骨の大きさ、咬合状態、開閉口運動などを精密に調べた上でわかることなので、あらかじめ“抜かない”と決めることは適切ではありません。

 

価値観として抜歯は絶対拒否するという場合もあるかもしれませんが、矯正歯科学的には非抜歯ありきで治療を進めていくことはあまりにもリスキーであると言わざるを得ません。

 

それにも関わらずなぜ、過去には歯を抜かないことを正義とする考え方が趨勢を占めていたのか。それは現代の歯列矯正の基礎となっている「エッジワイズ法」の考案者Angle(アングル)の影響力が強かったからです。彼は「神から与えられた32本の歯をすべて使って理想的な咬合を完成させなければならない」という信念を持っていました。正しい歯並び・噛み合わせが得られれば、顎の骨もそれに合わせて作られていくと考えていたのです。

 

けれども「歯槽基底論(しそうきていろん)」という論文が発表されたことで、アングルの理論には誤りがあるものと考えられるようになったのです。つまり、「歯は顎の骨の範囲内でしか動かせない」ため、ケースによっては抜歯をしましょうという考え方が主流となったのです。その傾向は現在も変わりはありません。

 

このように、理想的な歯並び・噛み合わせを実現するためには、抜歯もやむ得ないケースが存在しています。それでも非抜歯にこだわることは、治療結果に大きな悪影響を及ぼしかねないのです。

 

だからといって抜歯することが正義ということにもなりませんので、その点はご注意ください。便宜抜歯の対象となるのは、健全な小臼歯であることがほとんどであり、回避できるのであれば抜かずに残した方が良いのも事実なのです。

 

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