2020年6月19日
虫歯が進行すると、歯の神経を抜く「抜髄(ばつずい)」という処置が必要となります。とくに大きな病気などにかかったことがない人は、神経を抜く、あるいは神経を殺すという処置とは無縁なので、抜髄することに不安を感じるケースも少なくありません。何より抜髄することによって、「歯に悪影響が及ぶのでは?」ないかと心配になるかもしれません。
確かに、歯の神経を抜くことは、それなりのリスクを伴います。まず、抜髄をして数ヶ月経過すると、歯が徐々に変色することがあります。歯質全体が黄ばんだりグレーになるのが一般的で審美的な問題もあります。
それに、神経を取ることで割れたり、欠けたりするリスクが高くなります。これは抜髄をした歯自体がも脆くなるのではなく、神経がないことで痛みがなくなり、虫歯の進行に気が付きにくくなったり、噛み合わせが強くなって歯に負担をかけることがあるからです。
それでも抜髄が必要なのは、虫歯が自然に治らない病気だからです。虫歯菌に侵された歯質は、削り落とさなければ、無菌化できません。とくに神経組織を侵されてしまったら、抜き取る以外に選択肢はなくなってしまいます。ケースによっては、歯の神経が直接、虫歯菌に侵されていなくても、抜髄することがあります。それは歯髄炎の症状を取り除くためです。
いずれにせよ、虫歯によって異常が引き起こされた歯の神経は、抜き取らなければ症状の改善が見込めないことがほとんどです。歯の神経を抜いて、根管内をきれいにお掃除することではじめて、被せ物などを装着することが可能となります。ですから、虫歯治療では抜髄がよく行われますが、それは虫歯を完治させるために避けては通れないものだからです。
ちなみに「歯医者は歯が痛くなったら行くところ」とお考えの方が依然多いのは残念なことです。虫歯の進行は5段階ありますが、歯が痛むのは3段階目、4段階目になっていると考えられます。これは、かなりの確率で抜髄が必要な状態です。虫歯は痛くなる前に治療することが大切です。
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