詰め物が取れてしまいました
2019年5月26日
詰め物が取れたら放っておかないですぐ歯医者に
「詰め物が取れた」というのは「歯が痛い」と並んで歯医者に行く主な理由の一つになっています。歯が痛ければ我慢できず歯医者に飛び込みますが、詰め物が取れても、普通はすぐに痛みが出るようなありません。それでも、治療が終了あるいは途中の歯の詰め物が取れたら、痛みがなくてもそのままにする人は少ないでしょう。取れた詰め物は詰め直す必要があります。
それと詰め物と言っても種類があります。仮封(かふう)は、文字通り治療途中の虫歯をふさぐために詰めたものです。次回の治療では取り外して治療を行うために取り外すものですが、通常はしっかりと治療部分を封入しています。しかし、仮封が取れてしまうと、せっかく消毒した治療箇所に唾液中の細菌が入ってしまいます。
虫歯が歯髄と呼ばれる歯の内部の神経や血管の詰まった部分に到達して抜髄(神経を取る治療)では、歯髄を取り除いた部分は根管の治料を行います。
根管を唾液に含まれる細菌をそのままにして封入すると、将来歯の根の部分が炎症を起こす根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)になるリスクが高くなります。炎症を起こした歯は再治療になりますが、再治療を繰り返すと最後は抜歯で歯を失う可能性が出てきます。
虫歯の治療箇所に唾液が侵入しないためにラバーダムと呼ばれるゴムの皮膜を被せて虫歯治療を行うのですが、仮封が取れてしまうとせっかくの努力が無駄になります。唾液の侵入した根管は消毒をやり直さなくてはいけません。ただ仮封の詰め物は余分に付着した部分が取れてしまうこともあり、その場合は消毒のやり直しは必要ありません。
ラバーダムで歯を覆って唾液の侵入を防ぎながら治療を行う
仮封ではなく、治療が完了した後は、治療箇所にセラミックや金属あるいはレジンを詰めます。レジンはプラスチックの一種です。柔らかく削減量が少なくても虫歯の修復ができるので初期虫歯の治療には向いています。しかし、柔らかい分磨耗もしますし、薄く埋めた場合は取れやすいこともあります。
セラミックや金属は、レジンと比べ虫歯もより深くなります。虫歯が進むと詰め物ではなく、被せ物(クラウン)が必要ですが、詰め物はインレーと呼びます。インレーは簡単には取れないように装着されますが、特に二次虫歯(虫歯が治療箇所で再び発生すること)を引き起こしたような場合は取れやすくなります。
二次虫歯の場合は、治療のし直しになるのでインレーも作り直しになります。削る量が多い場合はインレーではなくクラウンになることもあります。二次虫歯でなければ、取れたインレイをもう一度付け直すことも可能です。
詰め物(インレー)が外れることはありますが、そのまま放置すると虫歯が進行して行くリスクが高くなります。治療した歯は詰め物が取れてすぐに痛みが出ることはありませんが、必ず付け直す、あるいは再治療を行ってください。
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