2022年12月30日
保険が適用される部分入れ歯では、金属製の留め具であるクラスプが審美面においてマイナスな影響を与えます。そのため金具のない「ノンクラスプデンチャー」のニーズが高くなっているのですが、総入れ歯に関してはあえて金属を使った自費診療の装置もあります。金属床義歯(きんぞくしょうぎし)と呼ばれるもので、総入れ歯のプレート(床)の部分が金属となることから、不安に感じる方も多いようです。
保険診療ではピンク色のレジンでプレートの部分を作るのに、なぜわざわざ金属を使うのか。それは入れ歯を薄くできるからです。レジンはプラスチックであり、強い衝撃が加わると割れてしまいます。そうした脆弱性を改善するためには、プレートの部分を厚くしなければならず、結果として装着感や使用感に難が生じます。強度の高い金属であれば薄くしても壊れることがなく、使い心地の良い入れ歯に仕上げられます。
また、金属は熱伝導率が高く、飲み物や食べ物の温度を感じやすい点も金属床の大きなメリットのひとつといえます。プラスチックの入れ歯と金属の入れ歯を比較するとよくわかりますが、食事のおいしさに差が生じます。これは私たちが食事のおいしさを食べ物の味だけで判断しているのではなく、熱さ・温さ・冷たさなども楽しんでいる証拠ともいえるでしょう。実際、冷たい白米と炊き立ての温かい白米とでは、味の感じ方が大きく異なります。
最後に、金属床の審美性についてですが、メタルを使うのは口の天井部分なので、金属色がギラギラと目立つようなことはありません。また、中野区のマナミ歯科クリニックでは、生体親和性が高いチタンを使った金属床義歯を取り扱っており、金属アレルギーのリスクも極めて低くなっています。しかもチタンは軽いので、入れ歯の重さに悩まされることもありません。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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