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食事による口内pHの変化がわかる「ステファンカーブ」

2020年7月27日



ダラダラと食事をしたり、頻繁に間食したりする習慣は、虫歯のリスクを引き上げます。これは、食物、特に糖分を含むものを食べることで、口腔環境が酸性へと傾くからです。これは一般にも広く知られていますが、実験によって明らかになったのは今から80年ほど前のことです。

ロバート・ステファンは1943年に、グルコース(ブドウ糖)溶液で洗口すると、歯冠部プラークのpHは、経時的にどのような変化を見せるのかを調べた研究を発表しました。その結果、pH5.5を境として、それよりphが小さいと歯はミネラル分を失う脱灰状態になることがが示されました。ph5.5を境として歯が脱灰と再石灰化を行うことを示したグラフを「ステファン・カーブ」と呼びます。

糖質が含まれる食事をとると、歯の表面に付着しているプラークはすぐにに酸性へと傾きます。虫歯菌は糖を分解する過程で、乳酸など酸性の物質をどんどん産生していくのです。その結果、歯質が脱灰され、虫歯の発症へとつながります。



ただ、口腔内の唾液に。ミネラル分を含んでいるため、緩衝材として作用します。つまり、唾液は酸性に傾いたpHを中性へと引き戻す力があります。この実験でも20~60分かけて、pHが中性へと戻されるのが確認されています。つまり、私たちが何か口にする度に、それだけ長い時間、歯が脱灰する環境に晒されることとなるのです。

口腔内のpHは、通常6.8付近で安定しています。それが5.5以下になると、エナメル質の脱灰が始まるので、このpH5.5を「臨海pH」と呼ばれます。そこで注意しなければいけないのは、各種飲料のpHです。

例えば、赤ワインはpHが3.4とかなり酸性度が高く、チビチビ飲んでいるとそれだけ歯が脱灰するリスクも上昇します。その他、スポーツドリンクは3.8、コーラは2.2など、清涼飲料水全般も極めて低いpHとなっています。



こういった飲料は、誰もが習慣的に飲んでいるかと思いますが、その都度、口内のpHを大きく低下させます。口腔内のpHを5.5以上の良好な状態に保つには、飲食の飲食の頻度やタイミング、回数などをしっかりと管理する必要があるのです。食後のブラッシングやうがいなどが重要視されるのはそのためです。

歯磨きはpHを高めないためにも大切

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