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骨が柔らかいとインプラントできない?

2022年10月30日

 

 

医学的には、骨の性質は「硬い・やわらかい」と表現することができます。骨は人体の骨格を成す組織なので、硬い方が優れているように思えます。実際、インプラント治療では、顎の骨がやわらかいと適応が難しくなることがありますが、硬すぎるのも良くないのが現実です。

 

そこでまず私たちの骨を構成している「皮質骨(ひしつこつ)」と「海綿骨(かいめんこつ)」について説明します。皮質骨は、骨の外側を構成する骨で極めて硬い物質です。骨密度が高く、血管などのやわらかい組織はほとんどありません。一方、海綿骨は骨の中心部を構成しており、血管に富む組織で比較的やわらかいです。

 

こうした皮質骨と海綿骨のバランスが良いと、インプラント治療は成功しやすくなります。例えば、皮質骨が多くを占める場合は、とても硬くて安定性も高そうですが、人工歯根をドリリングする際の摩擦熱で骨が損傷しやすくなります。血管からの酸素や栄養素の供給も悪く、チタンと骨が結合するオッセオインテグレーションも起こりにくいことでしょう。血管が豊富な海綿骨ならその心配はなくなりますが、今度は強度に問題が出てきます。

 

 

 

人工歯根を埋め込む位置というのは、そうした骨質のバランスなども考慮して決定するものなのです。ただ、「骨がやわらかい」ことと「骨の絶対量が不足している」ことは大きく異なります。歯周病や加齢によって骨が吸収している状態は、歯科治療において有利に働くことはありません。ただし、そうしたケースであっても骨造成などを行えば、インプラント治療可能な状態まで回復されることはできます。

 

今回は、「骨がやわらかい」という状態について解説しました。私たちの骨にはそもそも硬い部分とやわらかい部分があり、それぞれに異なるメリットとデメリットが存在しています。今現在、インプラントを検討中の方は、そうした“骨質”に関する知識も増やしておくことで、治療への理解も深まるかと思います。

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