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健康保険と自費治療、どちらを選ぶかどう選ぶか

2019.05.08

健康保険か自費治療化と言われても・・


日本は国民皆保険、つまり誰でも健康保険で医療を受けることができます。風邪をひいたり、怪我をしたり病院に行く時は、健康保険証を忘れずに持って行きます。治療は健康保険でするというのが日本では常識です。

歯科治療も健康保険で受ける人が多いのですが、歯科治療には健康保険の治療以外に自費治療というものがあります。健康保険も自己負担分は医療費の3割あるので、自分の懐からお金が出ていくことには変わりないのですが、自費治療というのは3割ではなく医療費全額が自分の負担になります。

10割負担になるだけでも医療費が3倍以上に跳ね上がるわけですが、多くの自費治療は元々の費用が健康保険の治療より高く、数倍あるいはそれ以上のことも珍しくありません。仮に元の費用が健康保険の治療の5倍なら、15倍の費用がかかることになります。これでは「自費の方が良い治療ができますよ」と言われても、簡単に納得はできない人も多いでしょう。

費用を考えると自費治療を簡単には決められない


それではなぜ、健康保険の治療の他に自費治療というものが歯医者では広く行われているのでしょう。元々、健康保険制度は誰もが病気になった時に安心して治療を受けるためにあります。歯科の場合では、虫歯や歯周病の治療は健康保険で行うことができます。

しかし、虫歯で削った歯を修復するために、詰め物や被せ物をする場合、使用できる材質は何種類もあります。日本では銀歯(実際には金やパラジウムといった貴金属を含むかなり高価な材質です)が健康保険で認められていますが、金歯、セラミックといった材質には健康保険は適用されません。

つまり、複数の治療の選択肢がある時、費用の安いものに対して健康保険が適用されることが一般的です。また、疾患の治療という観点から、審美性を追求するものは健康保険は適用しないという原則があります。

ただ、歯は口元の印象を決めます。健康保険でも審美的なものをまったく無視しているわけではありません。前歯であれば硬質レジンジャケット冠のような白い材質を使用することはできます。ただ、硬質レジンはセラミックより弱く、変色もしやすい材質です。

また、硬質のレジンブロックをコンピュータ制御された工作器具で削り出すCADCAM冠を小臼歯に(制限付きですが大臼歯にも)健康保険適用で使用可能です。ただし、ベテランの技工士が作るセラミック冠より、精度、耐久性、美しさは劣ります。

被せ物や詰め物は材質や製造法の違いがあるので、比較的理解しやすいのですが、当院では根管治療も健康保険で行うものの他に自費治療があります。根管治療とは歯の根の部分の炎症などを治療するもので、歯科治療ではもっとも一般的なものです。しかし、根管は非常に形状が複雑で、一定以上進行した虫歯や再治療になったようなものを抜歯せずに治癒するには高度の専門性が要求されます。

このため、根管治療を自費で行う場合は、根管治療を専門的に行っている歯科医が担当します。健康保険では通常認められないMTAセメントという高価な薬剤を使うこともあります。ただし、当院では根管治療を健康保険で行う場合もマイクロスコープやラバーダムといった、根治の成功率を高め、再治療の確率を小さくすることは行っています。

マイクロスコープを使用した治療


自費治療で代表的なものの一つにインプラント治療があります。インプラント治療は歯を失った時に、チタンネジを歯根の代わりに埋め込み人工歯を装着するものです。インプラント以外では失った歯の機能を回復するには入れ歯かブリッジという手段がありますが、インプラントと比べれば咀嚼力や耐久性では劣ります。

ただ、インプラント治療は高度な治療技術や高額の使用材料が必要です。リスクを避けるためにCT撮影、血液検査などの内科チェックもほとんど必須です。チタンネジを埋入する土台の骨の増殖を行うこともあります。このためインプラント治療は費用がかかり、結果的に健康保険のメニューに加えられません。

日本の健康保険制度は世界に誇ることができるすぐれたものですが、医療費を国民全体が互いに負担するという性質上、治療法、使用材料、薬剤など標準的で基本的ものに限定しなければなりません。歯科のように疾患の治療と同時に審美性も求められる分野ではすべてを健康保険の対象にすることは、高度な治療の浸透にはむしろ逆効果になってしまうでしょう。

反面、健康保険の治療がすべてダメということはもちろんありません。自由診療だから高度な治療が必ずしも保証されるわけでもありません。健康保険と自由診療の選択は、それぞれの治療のメリット、デメリットを十分に説明を受け、納得することが大切です。

山根マナミ歯科クリニック院長