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インプラントと天然歯の違いは?

2020年2月7日

インプラントの噛み心地は天然歯とほとんど変わらない



インプラントは、天然歯を失った時、チタンネジを埋め込みそれに人工歯と装着することで天然歯の代わりに噛む力をもたらす治療法です。インプラントの咀嚼力は非常にすぐれていて天然歯とほとんど変わりません。人工歯は比較的自由に設計できるので審美的にはむしろ優れていると言っても過言ではありません。

インプラントのチタンネジは、顎の骨である歯槽骨に埋め込まれます。チタンネジは歯槽骨と顕微鏡レベルでオッセオインテグレーションと言って高度に結合されます。インプラントは、言わば歯の機能を補う人工臓器です。インプラントは入れ歯のように着脱する必要もなく、天然歯のように口腔内で活用できます。しかし、あくまでも人工臓器であるために、これまで以上口の中のメインテナンスが必要となります。

天然歯とインプラント歯の大きな違いに、天然歯には歯根膜があるということがあります。私たちの歯は、歯周組織と呼ばれる歯肉、歯槽骨、歯根膜、セメント質で支えられています。天然歯の場合、歯の根っこ部分である歯根を覆うように歯根膜が存在します。歯根膜は、厚さ0.15~0.38mmと薄い膜状のものであり、外部からの刺激や衝撃から歯や歯槽骨を守る役割があります。歯と歯が咬み合う時、互いの歯が衝撃を受けますが、歯に加わる衝撃を歯根膜が吸収・分散させることで、歯や歯槽骨を衝撃から守ります。

清掃不良などによって口腔内で細菌が増殖していくと、歯根膜を含む歯周組織は歯周病菌によって蝕まれていき、最終的には歯を支えきれなくなり、抜けてしまいます。歯根膜は歯根部に付着するように存在するため、歯が抜けると同時に歯根膜も失ってしまいます。これが歯周病で歯を失うメカニズムです。

インプラントにはその歯根膜が存在しません。歯根膜が存在しないために、直接インプラントのチタンネジは歯槽骨が結合しています。クッションの役割を果たす歯根膜が存在しないインプラントでは、直接衝撃が歯槽骨に加わるために噛み心地の違和感につながることもあります。

しかし、それより問題となるのは、血液を供給し栄養を吸収することで歯周病の原因菌などから歯周組織を守っていた歯根膜が失われることです。このためインプラント歯は細菌に対する抵抗力が弱く、天然歯よりも細菌感染するリスクが高くなります。これはインプラント周囲炎と呼ばれるインプラントの歯周病です。

インプラントはメンテナンスが大切



インプラント周囲組織の炎症は広がりやすく、インプラント周囲炎に1度罹患してしまうと、歯槽骨や周囲組織が細菌によって徐々に溶かされていき、最終的にインプラントが脱落してしまいます。インプラント周囲炎に罹患しないための予防が必要となります。

インプラントは天然歯と違い虫歯にはなりません。しかし、インプラント周囲炎という歯周病にはなります。そして、それは天然歯の歯周病より速く進行し、より深刻な症状になるリスクがあります。定期的に歯科医院でのメインテナンスを行なうことが、インプラントを末永く維持するための鍵です。インプラントを埋入し、人工歯(上部構造)を装着すれば治療は完了しますが、定期的にメインテナンスを受けましょう。

インプラント周囲炎はインプラントの大敵

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