2023年8月26日
根管治療の成功率を大きく左右するものにラバーダム防湿があります。ラバ―ダムとは青いゴムの被膜で、虫歯治療で患部に唾液が侵入することを防ぐためのものです。アメリカでは、根管治療でラバ―ダム装着は必須となっていますが、日本の保険診療ではその使用が認められていません(ラバ―ダムを使用しても費用を請求できません)。今回は、ラバーダム防湿によって得られる7つのメリットを説明します。
メリット1:唾液の侵入を防ぐ
唾液には、たくさんの細菌が含まれています。患歯以外をゴム製のシートで覆うラバーダム防湿を実施すれば、根管内への唾液が流れ込むことがなくなり、不要な感染を防止できるのです。
メリット2:作用の強い消毒薬を使用できる
ラバーダム防湿下では、その他の組織を害するおそれがなくなります。比較的作用の強い消毒薬を使ったとしても、歯茎などを傷めるリスクがないのです。
メリット3:水分や湿気を遮断できる
接着操作を行う際には、水分や湿気を遮断する必要があります。ラバーダムを用いれば、その環境を自動的に作ることが可能となります。
メリット4:術者が治療に集中できる
患者の舌や頬の内側の粘膜が治療の邪魔となる場面はよくあります。ミラーやロールワッテなどで圧排(あっぱい)する方法もありますが、ラバーダムで防湿することでその必要性もなくなります。その結果、術者が治療に集中できるようになるのです。
メリット5:口腔粘膜が傷つかない
ラバーダム防湿によって患歯以外がカバーされれば、治療器具で舌や歯茎、頬の内側の粘膜が傷つくリスクもなくなります。
メリット6:治療器具の誤飲を防げる
根管治療では、針のように細くて小さい器具を使用します。それを誤って口腔内に落としてしまうと、誤飲や誤嚥を引き起こす可能性が出てきます。ラバーダム防湿下であれば、そのようなアクシデントは起こり得ません。
メリット7:水が喉に入ってこない
歯科治療では、いろいろな場面で水を使用します。その水が口腔内にたまったり、喉の奥に入ったりするのはとても不快ですよね。ラバーダム防湿を行っていれば、水はシートの上にたまりますし、喉に入ってくることもありません。
このように、ラバーダム防湿を行うことは、一般に想像している以上にたくさんのメリットが得られます。とくに根管治療を受ける場合は、ラバーダム防湿をしっかり行ってくれる歯科医院を選ぶようにしましょう。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。