2023年10月4日
「歯並び」と「噛み合わせ」は、似ているようで違います。歯並びはどちらかというと見た目の問題であり、自分でも確認しやすいです。実際、歯科医院には出っ歯や乱ぐい歯、すきっ歯といった目に見える症状を主訴として、矯正の相談にいらっしゃる方がほとんどです。
一方、噛み合わせは、文字通り上下の歯列がどのように噛み合っているかを意味するものなので、機能面に関係してきます。ですから、矯正治療では噛み合わせを歯の並び方と同じくらい重要視しており、その両方が改善されるような治療計画を立案するのです。
そんな機能に関わる噛み合わせもある程度はセルフチェックできます。まずは、上下の歯で自然に噛んで「いー」としてみてください。その時、歯列の正中が上下で合っているかどうかをチェックしましょう。正中が合っていない場合は、噛み合わせにズレが認められます。
次に、「カチカチ」と噛んでみて、歯列全体が均等に当たっているかを確認してみてください。前歯や奥歯など、特定の部位や歯だけ当たっている場合は、噛み合わせがズレています。当たっている部位だけに強い力がかかっているため、その歯の寿命は自ずと短くなります。上下で28本も歯があるのに、特定の歯だけしかしっかり働いていない状態だからです。
割り箸口にくわえて、奥歯で噛むことでも噛み合わせの水平的な異常を調べることができます。割り箸が水平にならなかったり、噛むことでガタガタと不安定に動いたりする場合は、左右の歯の高さが合っていない可能性が高いです。
口を大きく開けた時に、指が縦に3本入らないような場合は、顎関節の異常が疑われます。いわゆる顎関節症と呼ばれるものです。顎関節の異常も結局は悪い噛み合わせに由来することが多いため、歯列矯正が有効であるケースも少なくありません。その他、顔が左右非対称であったり、食べ物を噛みにくいと感じることが多かったりする場合も噛み合わせの異常が背景にあるものと考えられます。
このように、噛み合わせの異常はある程度セルフチェックすることができます。医学的な診断は、歯科医師でなければ行えませんので、歯科医院で診察を受けてください。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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