2021年9月17日
矯正治療は数年にまたがって行うものなので、近い将来、妊娠を予定している人、今現在、妊娠している人は、いつ始めようか迷う方もいると思います。
結論からいうと、矯正治療は妊娠中でも受けることができます。通院頻度もそれほど高くないため、矯正期間が妊娠期に重なってもそれほど支障をきたすことはないでしょう。ただ、多くの人は、矯正治療に伴う検査や処置が母体に悪影響を及ぼすことがないのか心配されるかもしれません。
まず、矯正治療を始めるにあたり、必ず種々の検査を実施します。とくにセファログラムと呼ばれる矯正専用のレントゲンでは、比較的多くの枚数を撮影することから、被ばく量が懸念されますが、基本的に母体に悪影響が及ぶほどのものではありません。とは言え、万全を期すためにも母体が安定する妊娠中期に受けるのが望ましいといえます。
また、治療計画に便宜抜歯や歯を削るような処置が含まれる場合も、安定期に実施するのが望ましいと考えられます。矯正装置の装着自体は、妊娠に大きな影響を及ぼすことはまずありません。注意すべきなのは口腔ケアです。
妊娠期はホルモンバランスの乱れによって、唾液の分泌量が減少します。また、つわりがひどいと歯ブラシによるブラッシングでさえ困難となることから、歯周病や虫歯のリスクが大きく上昇します。矯正にブラケットをそうちゃうする場合は口腔ケアも不十分になりがちです。
とりわけ妊婦さんが歯周病を悪化させると、早産・低体重児出産を引き起こしやすくなるため、十分な注意が必要です。適切な口腔ケアが行えないようであれば、妊娠中の矯正は控えた方が良いといえます。
マウスピース矯正の場合は、口腔内ケアはワイヤー矯正と比べずっと容易です。マウスピース矯正は食事や歯磨きの時に取り外しができるので、虫歯や歯周病のリスクを小さくすることができます。矯正治療は2-3年かかることもあり、妊娠中も継続することを考えると、ワイヤー矯正ではなくマウスピース矯正を選択することが望ましいでしょう。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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