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子供の歯を虫歯から守るフッ素塗布、シーラント、サホライド

2019年7月8日

シーラントの塗布



虫歯は虫歯菌が糖分を分解して酸性の物質を作り、歯の石灰分を溶かすことで起きる一種の感染症です。感染症という理由は、生まれたばかりの赤ん坊の口の中には虫歯菌はなく、主として親から虫歯菌をうつされるからです。

虫歯菌は食べ物の口移し、食器の共用などによってうつります。しかし、3歳まで虫歯菌の感染を免れると口腔内の細菌バランスが安定し、虫歯にならない口を作ることができます。

ただ、これはかなり難しい子育てと言って良いでしょう。子供の虫歯は甘い物を食べない、歯磨きを励行するといった生活習慣で防ぐことになります。

しかし、子供の虫歯を防ぐのはそれほど簡単ではありません。甘い物を食べるなと言っても、子供は甘い物が好きですし、歯磨きもそれほど上手にできません。目を離しているうちに、こっそり甘い物を食べ歯も磨かず寝てしまう、といったこともありがちです。

子供の虫歯は早く進みます。特に乳歯は3ヶ月程度で初期の段階から歯髄(歯の神経の入っている部分)まで侵され強い痛みを出ることも珍しくありません。虫歯は痛いのももちろんですが、虫歯で乳歯を失うと永久歯の歯並びにも悪影響を与えてしまいます。

子供は生活習慣だけでは虫歯を防ぐのが難しいため、歯科医院で虫歯予防を行うことが有効です。まず、フッ素塗布があります。フッ素塗布は歯の表面エナメル質のハイドロキシアパタイトをフルオロ アパタイトに変成させることで酸性物質に対する抵抗性を高めます。

フッ素の効果は歯科医院での塗布だけでなくフッ素を含有した歯磨き剤で歯を磨くことでも得ることができます。水道水にフッ素を添加することも欧米では広く行われて大きな成果を得ているのですが、日本ではフッ素添加への抵抗感が強くほとんど行われていません。

フッ素塗布に加えて虫歯予防に効果的なのはシーラント塗布です。シーラントはプラスチック素材で主として奥歯のコーティングを行います。シーラントを塗布すると歯の溝が埋まり、プラークそのものが溜まりにくくなります。また、コーティングされることで歯が守られます。

シーラントは乳歯の奥歯に用いられることが多いのですが、前歯や永久歯の虫歯予防にも有効です。ただ、プラスチックは磨耗するので、一定の期間を置いて塗布を繰り返すことが必要です。

生まれたばかりの赤ちゃんには虫歯菌はいない



サホライドはフッ素やシーラントの塗布と違って虫歯を防ぐためではなく、虫歯の治療に用います。サホライドはフッ化ジアンミン銀という強い殺菌性を持つ物質の溶液です。サホライド塗布することで虫歯の進行を抑制します。虫歯の進行が止まることで初期の虫歯なら削らずに虫歯治療ができることになります。

ただ、サホライドは痛みが出るような虫歯の治療には有効とは言えず、虫歯の初期段階の治療に限定されます。また、銀化合物を使っているため歯が黒く着色されます。それを嫌う人も少なくありません。

サホライトの塗布で黒くなった歯



それでも小さな子供に歯を削る治療を行うのはそれほど簡単ではないため、サホライドによる虫歯治療は初期虫歯には良い選択肢です。虫歯は生活習慣、フッ素塗布やシーラント塗布による予防措置だけでなく定期的な検診で虫歯を初期段階で見つけることも大切です。

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