2021年11月27日
歯ぎしりや食いしばりといったブラキシズムは、口腔組織に多大な悪影響もたらします。成人であれば一刻も早く取り除いた方が良い習癖ですが、幼児となると話は少し変わります。
乳幼児が歯ぎしりをすることをご存知ない方もいらっしゃることでしょう。そのため、自分の子供が歯ぎしりをしていると強い不安を感じることかと思いますが、それほど珍しいことではありません。乳幼児の歯ぎしりは「成長の証」と呼ばれることもあり、絶対的に悪いものではないからです。実際、乳幼児の1~2割は歯ぎしりをすると言われています。
子どもの歯ぎしりは生後8ヶ月くらいから始まります。これは最初の乳歯が生えてくる時期です。乳歯が生えそろう2歳半くらいまでは続きますが、焦らず経過を見ることが大切です。なぜなら、子どもの歯ぎしりは歯並びや顎の位置を調整するために行われるからです。歯の萌出に伴うかゆみを解消したり、顎の筋肉を鍛えたりするために行われることもあります。つまり、疲労やストレスがたまって生じる大人のブラキシズムとは、少し性質が異なるのです。
とはいえ、3歳になっても一向に歯ぎしりをやめる気配が見られない、歯ぎしりによる歯茎からの出血が目立つような場合は積極的な治療が必要になることもあります。不安を感じた時点で小児歯科の受診が必要です。
幼児の歯ぎしりは必ずしも悪いものではないため、大人のブラキシズムと同一視するのは必ずしも適切ではありません。そうした幼児の歯や口腔習癖に関する知識は、小児歯科医の診察、診療が大切です。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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