2017年11月11日
歯がひどく痛い、しかし歯医者に診てもらっても虫歯も食いしばりの歯の傷みも知覚過敏も何も悪いところはない。これは非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう)と呼ばれるものである可能性があります。これに対し歯に問題があって生じる痛みを歯原性歯痛(しげんしつう)と言います。
非歯原性歯痛による歯の傷みの原因は歯そのものではないのですが、原因は様々です。これらを分類すると(出典:口腔顔面痛学会編「口腔顔面痛の診断と治療ガイドブック」)
① 筋/筋膜性歯痛
② 神経障害性歯痛
③ 神経血管性歯痛
④ 上顎洞性歯痛
⑤ 心臓性歯痛
⑥ 精神疾患や心理社会的要因による歯痛
⑦ 特発性歯痛(非定型歯痛を含む)
⑧ その他さまざまな疾患により生じるもの
に分類されます。
この中でケースとして多いのは①の筋/筋膜性歯痛によるものです。これは筋肉痛による痛みが関連痛として歯の痛みと感じられることが原因です。関連痛は口腔内が原因であることもあります。その場合は、別の歯に痛みの原因があるのに、違う歯が痛んでいるように感じられます。
原因が他の歯であっても、筋肉であっても悪くない歯が痛む原因ははっきりとはわかっていません。何らかの理由で神経を伝達する信号が混線したような状況になっているために関連痛が起こると考えられます。
関連痛が他の歯である場合は歯医者でその歯を治せば痛みも解決します。原因が筋肉にある時は大概トリガーポイントと呼ばれる部署をしばらく押すと強い歯の痛みが生じます。
原因が筋/筋膜性だと判明すれば、ストレッチやマッサージが有効で解決に向かいます。しかし、原因によっては治療が必ずしも簡単でないものもあります。いずれにせよ、痛みの真の原因により治療法も専門医師も違ってきますが、最初はペインクリニックで原因を特定することが、早道と考えられます。
歯医者は歯の専門家ですから、歯の痛みの原因を歯に求めようとします。歯の痛みの原因も関連痛を含め色々あるので、時として歯医者も非歯原性歯痛と見抜くことができないこともあります。しかし、特定の原因が口腔内に見当たらず、歯痛が長い期間続くような時は、非歯原性歯痛を疑う必要はあるでしょう。
マナミ歯科クリニックの虫歯治療
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