2020年9月27日
インプラント治療では、抜歯をすると同時に人工歯根を埋め込む施術法があります。これを「抜歯即時埋入」と呼び、通常の施術法と比べると多くのメリットを得ることができます。
第一には、治療期間の大幅な短縮です。抜歯後にインプラントを埋入する場合、本来であれば数ヶ月の治癒期間を要します。抜歯をした部分の骨質が安定するまで、しばらく待たなければならないのです。
抜歯即時埋入では、抜歯窩の治癒を待つ必要がないだけでなく、そうした生体の治癒力を利用してインプラントを定着させます。手術も2回必要なところを1回で済ませることができ、従来法の半分程度の期間で治療を完了させることが可能です。
また、インプラント治療では重要となる「軟組織の形態」を維持しやすいというメリットもあります。インプラントと歯茎との境目が天然歯と同様の形態をとっていると、汚れなどが溜まりにくくなります。審美面においても違和感が少ないため、インプラント周囲の軟組織は、正常な形態に維持されるべきなのです。
従来法では、治癒を待つ期間に歯茎が退縮していきます。さらに、抜歯をした部位の歯槽骨も吸収していくことから、人工歯根の埋入および定着に不利な要素が多くなっていくのです。抜歯後すぐに埋入することで、そうしたデメリットを解消することが可能です。
ただ、抜歯即時埋入はすべての症例に適応できるわけではありません。顎の骨が正常であることと、重度の歯周病にかかっていないという2点は必須です。その他、噛み合わせが安定している、歯ぎしり・食いしばりなどの悪習癖がないなど、さまざまな条件をクリアしなければ適応することが難しい処置法です。
抜歯即時埋入インプラントは、従来法にはないメリットが多々ありますが、比較的最近までは成功率が必ずしも高くないということで普及は遅れていました。抜歯即時埋入の普及には、インプラントの治療技術の進歩があるのです。
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