放ってはおけない歯茎にできる白い点、フィステル
2019年10月29日
歯茎にできたフィステル
歯茎(特に上の歯茎に多いのですが)に白い米粒より小さな白い点ができることがあります。口内炎のようですが口内炎のように触ってヒリヒリすることはありません。普通痛みはほとんどないのですが、疲労したり体の抵抗力が弱ると腫れが痛みになることはあります。これはフィステルでの疑いがあります。
フィステルは歯の根の先に溜まったウミが行き場所を失って歯茎から外に出てきたものです。ウミの原因になったのは炎症です。炎症を引き起こすのは歯周病のこともありますが、ほとんどは虫歯や打撲で歯の神経が死んだことで起きたものです。打撲を除けば、フィステルができるのは一度虫歯治療を行った後になることがほとんどです。
フィステルの痛みが出るのは、主にウミが溜まりウミの内圧が強くなった時で、ウミが外に出ると収まります。ウミは臭うので口臭の原因にもなります。フィステルが放って置けない理由は、フィステルがあるのは歯の根にウミの袋、歯根嚢胞(しこんのうほう)があると考えられるかです。歯根嚢胞ができるのは虫歯や打撲で神経が死に(失活)そこで細菌が繁殖しているからです。このためフィステルのウミが出て痛みが治っても繰り返し炎症が起きることになります。
フィステルの痛みは繰り返す
フィステルは歯の根を掃除してウミを取り除く根管治療を行うことになります(フィステルが歯周病ではなく虫歯や打撲による場合)。この時、根管が曲がっているなどの理由で根管治療が難しい時、歯根嚢胞を切開して取り除き、歯の根の先をふさいで元に戻す歯根端切除術という治療方法があります。これはかなり高度な技術を必要とする施術で根管治療の専門の歯科医師や口腔外科医が行うことが多くなります。
しかし、根管治療がうまくいかないと結局抜歯するしかなくなることも少なくありません。フィステルは痛みがなくても、歯の根の先では徐々に症状は進行しています。フィステルを見つけたら放っておかず、歯科医院できれば根管治療の専門の歯科医師がいる歯科医院で治療を受けることをお勧めします。
フィステルの治療は早目に