医院ブログ

キービジュアル

根管に治療器具が残った時

2020年6月15日



虫歯が進行して、抜髄(ばつずい:神経を取る治療)を行った後、抜髄で残された根管が内部まで汚染されたり、根の先が膿んでしまったたりすると、根の先まで歯の中を綺麗にする根管治療が必要となります。根管治療では根の中の感染した歯質や神経を徹底的に除去します。その際に使用されるのがリーマーやファイルと呼ばれる針のような器具です。

根管内を掃除するリーマーファイル



小さい歯の中の細い根管は大きく曲がっている場合や石灰化して硬くなっている場合があり、汚染物を除去する器具にはかなりの力が掛かることがあります。そのため、細心の注意を払っていても根管治療中に偶発的に器具の一部が破折して内部に残ってしまうことがあり得ます。
 
残ってしまった器具は滅菌されて使用されているため、それ自体が感染源となることはありません。また、器具を取り除くには歯質を多く削る必要があるため、取れるに越したことはないのですが取り除くかどうか判断する必要があります。

十分に根管内の洗浄が終了している段階で破折した場合や綺麗に治療が終了していて臨床症状がない場合は無理に処置する必要はありません。しかし、根管治療の初期段階で破折した場合や根尖病巣が存在し臨床症状もある場合は取り除く必要が出てきます。

この場合は取り除けるかどうかも重要になります。器具を取り除くには専門的な技術と器具が必要です。当院では、根管治療専門の歯科医師がマイクロスコープを用いた治療で取り除いています。ただし、マイクロスコープでも確認できないくらい深い場所で破折していたり、除去用器具が破折片に届かない場合は非常に難しくなります。

根管内の器具はマイクロスコープとCTを併用することで位置などをよりはっき確認することができます。次の一連の写真は他院での治療で器具(リーマーファイル)が破折して残り、痛みが出たものを当院で取り除いた例です。

他院での治療で根管内に器具が残ったCT画像(白く写っているもの)



取り出された器具



治療中マイクロスコープで患部を拡大して治療



中から除去出来ない場合は、歯茎を切開して外科的手術にて取り除きます。根管内のトラブルは抜歯に至る症例もあり、無理に除去を試みることは別のトラブルに繋がるため、適切に処置することが肝要となります。

ただ、根管内に残った器具は必ず取り除かなければならないケース多くはありません。また、細心の注意を払っていても偶発的に器具の破折が起き根管内に残されるリスクは根管治療では一定にあります。慌てず、歯科医の判断と治療に任せることが必要です。

(永倉先生記)

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

中野駅南口から徒歩5分


友だち追加

03-5385-0977

診療時間

月~金10:00~21:00(最終受付 20:30)
土・日10:00~13:30
15:00~19:00(最終受付 18:30)

※ 土日のみ休診時間有り(13:30〜15:00)
※ 祝日は休診

このページの先頭に戻る