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歯とカルシウムの関係について

2023年10月4日

 

カルシウムは、健康を維持する上で欠かすことのできない栄養素です。骨の主成分であるだけでなく、心筋の収縮を増す作用も担っていることから、毎日、一定量のカルシウムを摂取することが推奨されています。

 

そんなカルシウムは、発育期のお子さまとっては強い歯をつくる上でも重要な栄養素となります。私たちの歯は「歯胚(しはい)」と呼ばれる卵のような状態から徐々に形作られ、象牙質・エナメル質などが形成されていきます。その時に十分な量のカルシウムがないと、形成不全などを引き起こしてしまうのです。

 

ただ、歯の発育が完了している状態やもうすでに口腔内に萌出している段階では、カルシウムが歯に対して重要な役割を果たすことはほとんどありません。なぜなら、歯は骨とは違って代謝が起こらないからです。骨は日々、作り変えられていきますが、歯は一度、完成したら、その状態で一生涯過ごすことになります。それだけに適切な量のカルシウムを歯の発育期に摂取することは、極めて重要といえるのです。

 

 

もちろん、カルシウムは萌出後も歯の健康を間接的にサポートしてくれるため、適切な量を摂取することは必須となります。例えば、歯を支えている歯槽骨(しそうこつ)は、その他の骨と同様に代謝が起こることから、カルシウムが不足すると骨密度や骨量が減少してしまいます。その状態が悪くなると、骨粗しょう症のような病気を発症してしまうのです。

 

このように、カルシウムが直接的な影響を歯そのものに与えるのは、発育期に限定されます。大人になってから歯を強くする場合は、カルシウムではなくフッ素が有効です。フッ素はエナメル質を構成する「ハイドロキシアパタイト」を「フルオロアパタイト」に作り変えることで、酸性刺激への抵抗力を高めてくれます。こうした歯とカルシウム、フッ素との関係を正しく理解しておくと、歯やお口の健康をより保ちやすくなることでしょう。

 

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