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歯の神経を抜くのはどんな時?

2023年3月4日

 

歯科では「神経を抜く」という特殊な処置を日常的に行っています。神経は冷たさや熱さ、圧力などを感じ取る極めて敏感な組織であり、それを抜いても大丈夫なのか心配になる方も多いことでしょう。

 

実際、歯の神経を抜くことにはいくつかのデメリットを伴います。歯の神経と血管で構成される歯髄(しずい)は、歯に酸素や栄養素、免疫細胞を供給しているため、それを抜いてしまうと歯が脆くなります。だからと言って歯が途端にボロボロと崩壊していくわけではありませんが、数年から数十年単位では歯の寿命を縮める要因となります。

 

歯髄がなくなると外来刺激に対して鈍感になるため、極端に硬いものを手加減せずに噛んだり、外傷などを負っても気付きにくくなったりします。その結果、深刻なトラブルに見舞われることが多くなるのです。こうしたことから、歯の神経は可能な限り残した方が良いと言えます。当院でも歯や歯の神経を出来るだけ残す保存的な治療を心がけております。

 

ただし、歯の神経を抜くことがメリットとなるケースもあります。例えば、進行した虫歯では、感染した歯髄を抜かないと病巣がさらに広がり、神経どころか歯そのものも保存できなくなります。また、歯髄炎に伴う歯の痛みは、鎮痛剤で抑えられないことも多く、抜髄によって痛みから解放されることの方が利益になりやすいのです。とくに感染を伴う歯髄炎は痛みが強く、完治させることも難しいので多くのケースで抜髄が適応されます。

 

 

このように、歯の神経を抜くことには、メリットとデメリットを伴います。その2つを天秤にかけて、秤(はかり)がメリットの方に傾く場合のみ、抜髄という処置を提案させていただくことになります。歯の神経は一度抜いてしまうと再生することはないため、抜髄することに不安や疑問を感じた場合は、主治医にその気持ちをしっかり伝えることが大切です。歯の神経を抜く理由やメリット・デメリットについて、きちんと説明してくれることでしょう。

 

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