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歯周病と誤嚥性肺炎の危険な関係

2019年10月21日

歯周病は誤嚥性肺炎の引き金になる



歯周病は、歯を支えている組織が破壊されていく病気です。歯茎が赤く腫れ、歯根膜に炎症が広がり、やがては顎の骨さえも溶かしてしまいます。そんな歯周病による悪影響は、口腔内にとどまりません。脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病のリスクを引き上げることは皆さんもご存知のことでしょう。それに加えて、「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」とも強い関連があることがわかっています。

誤嚥とは、唾液や食べ物などを誤って気管へと飲み込んでしまう現象で、嚥下機能(えんげきのう)が衰えた高齢の方によく見られます。その結果、肺で感染が起こり肺炎を発症したものを「誤嚥性肺炎」といいます。

歯周病は、細菌感染症の一種です。P.g菌に代表される歯周病菌が歯茎に感染して、炎症などを引き起こします。重症化した歯周病では、歯と歯茎の間にある「歯周ポケット」が深くなり、歯周病菌が住みやすい環境となることから、その数も極めて多くなります。

そうして繁殖した歯周病菌の一部が唾液や食べ物に付着して、気管へと運ばれてしまうのです。実際、誤嚥性肺炎の患者さんの痰(たん)などからは、高確率で歯周病菌が検出されます。

肺炎と聞くと、比較的軽い病気のように思われがちですが、実際はそうではありません。厚生労働省が実施している人口動態統計(平成29年度)によると、日本人の死因の第5位に「肺炎」、第7位に「誤嚥性肺炎」が位置しているのです。前年度までは「肺炎」が第4位に位置していたのですが、誤嚥性肺炎を独立して集計するようになって順位に変化が現れました。それくらい「誤嚥性肺炎」は注意すべき疾患であると国は考えているのです。

誤嚥性肺炎を予防するには、まず口腔内を清潔に保つ必要があります。今現在、歯周病にかかっている方は、一刻も早く歯周病治療を受けましょう。歯のクリーニングやスケーリングなどを実施することで、歯周病菌の温床となる歯垢や歯石を一掃することから始めます。

また、歯科衛生士は適切な歯磨きが行えるよう、患者さまお一人おひとりに最適といえるブラッシング法をお伝えすることができます。そうして、お口の中を清潔に保つことで、誤嚥性肺炎のリスクを大幅に下げることが可能となります。

歯磨きの指導は歯科衛生士の大切な仕事



「肺炎」は、口腔内細菌の数を減らすことで防止することができますが、「誤嚥」に関しては、異なるアプローチが必要となります。具体的には嚥下機能を担っている筋肉を鍛えたり、反射機能を促進したりすることで、誤嚥を予防することが可能となります。

実は、誤嚥というのは単に「食べ物を飲み込む」機能が衰えているだけではなく、その他の口腔機能も複雑に絡み合っているのが現実です。そこでまず、以下に挙げるような症状があるかをチェックしてみてください。

・食事中にむせることが多い
・食事に時間がかかる
・食べ物が口からこぼれる
・飲み込んだあとも食べ物が口腔内に残りやすい
・食べると疲れる
・食事中にガラガラ声になる

これらの症状が認められる場合、「ものを食べる」機能が全般的に衰えている可能性がありますので、まずは当院までご相談ください。簡単な訓練やリハビリを実施することで、衰えた口腔機能を回復させることができます。

このように、歯周病が重症化すると、歯や歯周組織にダメージを与えるだけではなく、命にかかわる病気を発症させることもあります。それだけに、できるだけ早期に治療を開始することが大切です。

歯周病は「沈黙の病気」としても有名であり、初期の段階で自覚するのは困難ですので、専門家の力を活用しましょう。歯科医院で定期的に口腔内ケアの維持を行っていると、歯周病の安定化、さらに改善を行うことができます。歯周病を予防、改善させるためには、セルフケアとプロケアの両立が不可欠といえます。

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