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神経を死ぬと歯が黒くなるのはなぜ?

2021年4月18日


 
私たちの歯は、表面をエナメル質、そのすぐ下に象牙質が分布しており、中心部には歯髄腔(しずいくう)と呼ばれるスペースが存在しています。歯髄腔には歯の神経と血管で構成される歯髄が収められていて、歯に栄養を与えたり、外からの刺激を受け取ったりしています。そんな歯髄が死んでしまうと、歯が黒ずんでくることがあります。
 
歯の中には神経の納められている歯髄がある
 
もしかしたらご自身、あるいは身の回りの方で失活歯(歯の神経が死んだ歯)の変色を経験されたことがあるかもしれません。そこで多くの人は「なぜ歯が黒くなるのか」疑問に感じます。例えば、生命活動が停止したものは、色が褪せたり、黒く変色したりする傾向にあります。それと同じことが歯でも起こっているのでしょうか。
 
 
歯の変色は、転倒などによる歯の打撲で起こりやすいです。歯に強い衝撃が加わると、歯髄内で出血が起こります。傷を治そうと血流が多くなり、歯髄腔内の圧力が高まることで歯の神経が死んでしまいます。もちろん、打撲を受けた際の衝撃で神経が死ぬこともあります。
 

転んで歯がダメージを受けて失活することもある


 
その後、死んだ神経の断片や血液中の鉄分が象牙質へり入り込み、変色していく過程で、歯そのものを黒ずませるのです。外傷による歯の変色が時間差で起こるのはそのためです。
 
 
神経の失活による歯の変色は、一般的な着色・変色とは異なり、歯の内側から色が変化していきます。そのため、通常のホワイトニングでは症状を改善することが困難です。ウォーキングブリーチと呼ばれる特別なホワイトニング法でなければ、治療できないのです。セラミック製のクラウンを被せることでも、歯の黒ずみを改善することは可能です。
 
外傷などによる歯の変色は、血液や歯髄の構成成分の一部が象牙質に沈着することが起こります。症状の現れ方も対処法も通常の歯の変色とは異なりますので、十分注意しましょう。

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