2023年11月18日
舌がピリピリ・ヒリヒリと痛む場合は、まず原因を考えてみましょう。直前に辛い食べ物・飲み物を口にしていたり、食事で舌を傷つけたりした場合の原因は明確です。誤って舌を噛んだ、入れ歯や矯正装置が舌を刺激した、口腔カンジダ症やアフタ性口内炎、口腔乾燥症などを患っている場合も原因がわかりやすく、対処に困ることもないでしょう。
上述したような原因が見当たらず、舌がピリピリ・ヒリヒリする症状が数ヵ月にわたって続いている場合は「舌痛症(ぜっつうしょう)」が疑われます。舌痛症は原因がわからない病気なので、対症療法しか確立されていません。
例えば、舌痛症では抗うつ剤が処方されることがあります。これはうつ症状を改善するというよりは、慢性疼痛に対する効果を狙って服用するものです。実際、多くのケースでは抗うつ剤の1ヵ月程度の服用で症状の改善が見られます。
その他、舌痛症ではカウンセリングなどで、症状の改善を試みていきます。カウンセリングでは、ストレスをため込まずに発散すること、十分な睡眠をとること、亜鉛を習慣的に摂取すること、唾液腺マッサージをすることなどの生活指導が行われます。
このように、舌痛症は原因のわからない舌の痛みが主訴となるため、どの診療科を受診したら良いのか迷ってしまうかと思いますが、まずは歯科医院で診てもらうことをお勧めします。
舌の痛みが何に起因しているのかは、専門家でなければ診断できません。そして舌の痛みの多くは、口腔内に異常があります。つまり、歯科を受診すれば、舌痛症以外の原因を特定することができ、いずれの疾患・異常も当てはまらない場合は、舌痛症の可能性が高まります。舌痛症の最終的な診断および具体的な治療は、歯科口腔外科や耳鼻咽喉科で行うことになるでしょう。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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