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虫歯を放置するリスク

2021年12月15日


 
歯の表面に穴が開いていたら、ほぼ間違いなく虫歯を発症しています。冷たいものがしみる、眠る前に歯がジンジンと痛み出す場合も虫歯にかかっている可能性が極めて高いです。そうした自覚症状が認められても、ついつい歯科医院に行くのを後回しにしてしまう方もいるかもしれません。。
 
虫歯は、日常生活に支障をきたすようになるまでには、かなりの期間を要するため、歯科を受診する頃には、歯を大きく削らなければならなくない状態まで進行しています。つまりは、麻酔や歯の切削で痛い思いをするのが嫌で、歯医者で痛い思いをするのを避けてしまうこともよくあることです。
 
しかし、虫歯を放置することは、とにかくデメリットしかないということをまずご理解する必要があります。虫歯は自然には治らない病気です。放置すれば、歯質が溶け出し、歯の神経に感染が及び、激痛を伴うようになります。これは私たちの身体が備えている免疫機構では止めることのできない現象なので、歯科治療を受ける他に、痛みを緩和する・歯を残す方法はありません。
 
それでも歯科治療が怖くて歯痛を我慢すると、歯の神経が細菌によって殺され、痛みが一時的に無くなることで、歯痛はきれいに消失するため“虫歯が自然に治った”と誤解してしまう方もいますが、それは大きな間違いです。虫歯菌は依然として歯の中に存在し、繁殖し、次なるターゲットを探し始めます。そうして発症するのが「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」です。
 

 
歯の根の先には根尖孔(こんせんこう)と呼ばれる小さな穴が存在していて、そこから細菌や汚染物質が漏れ出ていきます。歯の根元に生じる膿の袋の正体がこれです。膿の袋が大きくなると、歯痛とは異なる痛みが生じ始め、再び不快症状に悩まされます。それでも放置し続けると、顎骨骨髄炎や蜂窩織炎といったより深刻な病気にまで発展していくので十分な注意をしなければいけません。
 
虫歯は、放置するとかけがえのない歯質が溶け、神経が死滅し、全身の健康まで奪われかねない怖い病気です。“たかが虫歯”とは考えず、少しでも自覚症状が認められたら歯科を受診しましょう。治療の開始が1日でも早くなれば、その分、虫歯に伴う痛みも軽くなります。初期の虫歯なら、歯を削らずに治すことも不可能ではありません。
 

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