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虫歯治療と根管治療

2022年2月18日


 
虫歯治療は、歯を削ってコンポジットレジン(プラスチック素材の詰め物)を詰めるといった流れがありますが、根管治療となると“流れが複雑でよくわからない”という方も少なくありません。しかし、虫歯が進行すると虫歯で失われた歯質の補うだけでなく、歯の根の治療が必要となります。これが根管治療です。
 
根管治療は“歯の根の治療”ですが、虫歯治療の一環として行う処置です。その目的は虫歯菌を根管と呼ばれる歯の内部から排除することであり、感染している歯質を削ってレジンを詰める処置と根本的には変わりないのです。ただ、歯の神経にまで及んでしまった虫歯は、そう簡単に治すことはできません。
 

 
虫歯が進行して歯髄と呼ばれる神経や血管が収められた部分が侵されると、細菌に感染した神経を抜く「抜髄(ばつずい)」が必要となるケースが出てきます。それでもまだ根管内には汚染された組織や細菌が残っているため、それらをきれいに取り除かなければなりません。具体的には、リーマーやファイルといった針のような器具を使って、根管内を清掃していきます。殺菌・消毒作用が期待できる薬剤も併用するのですが、根管内を無菌化するのはそう簡単なことではありません。
 

エナメル質の下には神経や血管が詰まった歯髄が象牙質の中に収められている


 
無菌化の処置を行っては仮のフタをして時間を置き、根管内の細菌が死滅しているかを確認します。それを数週間に渡って繰り返す必要があることから、根管治療は長くなるのです。ケースによっては数ヶ月に及ぶことも珍しくありませんでした。しかし、先端的な根管治療はマイクロスコープを使用することで、より効率的な無菌化処置を行うことで、治療回数をずっと少なくすることも可能になってきました。
根管内を無菌化することができたら、ガッタパーチャポイントなどの材料で満たして完全にフタをします。その上で土台を築いて被せ物を装着し、治療は完了となります。最終的な外観は通常の虫歯治療と同じようになりますが、そこに至るまでの流れは大きく異なります。
 
根管治療の流れはとても複雑で患者さまに大きな負担を強いるものとなりますが、かけがえのない天然歯を残すためには必須と処置です。ブリッジ・入れ歯、インプラント治療を回避するためにも、根管治療は最後まできちんと頑張りましょう。

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