金具のない入れ歯ノンクラスプデンチャー
2019年11月30日
金具が無いノンクラプスデンチャー
一般的な部分入れ歯は、「人工歯」と「義歯床」、それから留め具である「クラスプ」によって構成されています。クラスプは、金属で製作されるだけでなく、歯列とは調和しない形態をとっていることから、口元の審美性を大きく低下させる要因のひとつとなっています。
そのため「クラスプが目立って嫌」「異物感が大きくて使いにくい」という不満の原因となり、引いては「入れ歯は絶対イヤ」という気持ちにもつながります。そのような不満にクラスプが存在しない「ノンクラスプデンチャー」があります。
ノンクラスプデンチャーでは、文字通りクラスプを設置しないため、金属色が目立つことありません。歯列の中に生じた欠損を自然な形で補完することが可能です。材料はレジンやシリコンのみで構成されており、金属アレルギーのリスクも無くなります。つまり、ノンクラスプデンチャーは、見た目が美しいことに加え、生体への親和性も高い入れ歯といえるのです。
また、粘膜を覆う義歯床の部分を薄くできることから、その重量は保険診療の入れ歯の半分以下となっております。入れ歯のサイズも最小限に設計できるため、違和感や異物感なども極めて少なくすることが可能です。
通常の入れ歯は金具がついている
このように、ノンクラスプデンチャーであれば、従来の部分入れ歯が持つ欠点をことごとく補うことができるのですが、必ずしも万能というわけではありません。
例えば、残っている歯の本数が少なかったり、歯の残り方が良くなかったりすると、そもそもノンクラスプデンチャーを設計することが不可能となります。また、口腔内への適合性が良い材料を使用しているものの、素材そのものの寿命が比較的短かったり、壊れた際の修理が困難であったりすることも多々あります。また、耐久性も金具のクラスプよりは劣ります。
これから部分入れ歯を製作される方、あるいは今使っている部分入れ歯が合わないという方は、そうしたノンクラスプデンチャーのデメリットも踏まえた上で検討が必要です。
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