その歯を捨てないで!転んで歯が取れた時にすること、してはいけないこと
2019年11月19日
転んで歯が取れても慌てずに
転んで顔面を強打するなどして歯が抜けた時、迅速に「すべきこと」あるいは「してはいけないこと」があります。とくに、小さなお子さまは歯が転倒による歯の脱臼が多くなっており、対処の仕方によってはその後の発育にも大きな影響を与えることがあるため注意が必要です。
そこでまず知っておいていただきたいのが「抜けた歯は元に戻せるかもしれない」という点です。その際、重要となるのが歯の根っこの部分に付着した「歯根膜(しこんまく)」の存在です。
子供は転んで歯を脱臼することが多い
例えば、歯が抜けた拍子に地面に落ちてしまい、砂などの汚れがついてしまったからといって、ゴシゴシと擦り洗いをするようなことは控えましょう。大切な歯根膜組織がはがれ落ちてしまいます。歯根膜は、歯槽骨に定着させる上でなくてはならない組織であり、できる限り元の状態のまま保存することが求められます。それでも汚れが気になる場合は、軽く流水で洗う程度にとどめてください。
次に、歯が抜けてから1分1秒でも早く歯科を受診することを心がけてください。脱落歯の状態というのは、時間の経過とともに悪化していきます。歯根膜は生きた細胞で構成されているため、栄養や酸素が絶たれた環境ではやがて死滅してしまうのです。そんな歯根膜細胞は「保存液に浸ける」ことで寿命を延ばすことができます。
最も有効なのは「ティースキーパー」と呼ばれる専用の保存液に浸けることです。学校やスポーツ施設には常備されていることがあるのですが、一般のご家庭にはおそらくないことでしょう。それならば「牛乳に浸ける」のも有効な対処法の1つといえます。
折れた歯を保存できるティースキーパー
大切なのはお口の中の状態に近い環境を歯根膜に与えてあげることです。そのため、保存に適した薬液等が手に入らない場合は、脱落歯をお口の中に含んでおくだけでも保存効果が見込めます。その際、誤って飲み込んでしまわないよう、唇と歯列の間にある「口腔前庭(こうくうぜんてい)」に歯を収めておくと良いです。
お口の中に出血がある場合は、ティッシュやガーゼを軽く当てるなどして止血しましょう。うがいをしてお口の中を清潔にすることも大切です。歯が抜けた部分は大きな傷口となっていますので、不潔なままだと細菌感染を引き起こしてしまいます。いずれも応急処置にとどめておき、受賞後できるだけ早く歯科を受診するようにしてください。
マナミ歯科クリニックであれば口腔外科医も在籍しており、歯の再植も安全かつ正確に行うことが可能です。もちろん、歯やお口の中の状態によっては歯を元に戻せないこともありますが、その際は、最善といえる治療法をご提案させていただきますので、お困りの際はいつでもご連絡ください。