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顎関節症になったら

2020年1月13日

顎関節症は痛みと異音を感じる

顎の関節が「カクカク」「ジャリジャリ」鳴る。あるいは「顎が痛い」「口が開かない」などの症状が認められた場合、皆さんなら何科を受診されますか?関節の異常なのだから、整形外科や整骨院などが適していると思われるかもしれません。

顎の痛みで口がうまく開かない、特に異音を感じたりする時は顎関節症が疑われます。そして、顎関節症の診断や治療というのは、歯科の治療領域です。また、口腔粘膜や顎骨、顎関節など、頭頚部領域の病気や外傷などが関係している場合は、歯科の中でも口腔外科が中心となります。

「口が開かない」開口障害は、日常生活に大きな支障をきたします。その原因が顎関節症における「クローズドロック」の状態であれば、マニピュレーションという処置によって改善することが可能です。クローズドロックでは、顎関節の中でクッションの役割を果たしている「関節円板」が前方に転位したまま戻ってこない状態です。それを人為的に戻す処置は手術は伴いませんが、マニピュレーションという治療を行います。

その他、顎を動かすと音が鳴る「関節雑音」や顎に痛みを感じる「顎関節痛・咀嚼筋痛」など、顎関節症は様々な症状があります。そのため、顎関節症は、まずは病態を確認することが大切です。

顎関節症の原因は、必ずしも「顎関節」にあるとは限りません。歯並びや噛み合わせの異常、歯ぎしりなどのブラキシズムが顎関節症を誘発していることも珍しくありません。これらは歯並びや噛み合わせの調整、改善が治療のために必要です。

歯ぎしりで無意識に強い力が歯にかかると顎関節症の原因になることがある



しかし、顎関節症の主な原因の一つの歯ぎしりは精神的なストレスによるものが少なくありません。ストレスの原因は人により違い、必ずしも簡単には解決できないものもあります。そのため、原因の治療が困難な顎関節症はマウスピースを就寝時に装着するといった、対症療法にとどまる場合もあります。

ところが、最近はボツリヌス菌製剤(商品としてボトックスが有名です)を注射することで、筋肉の緊張を緩め歯ぎしりを治療することが行われるようになってきました。ボツリヌス菌製剤による歯ぎしり、そして顎関節症の治療は対症療法というより、筋肉の緊張という原因の根本を取り除く方法です。治りにくいことも多い顎関節症ですが、歯科の世界では新しい治療が現れてきています。

ボツリヌス菌製剤の注射で歯ぎしりとそれに伴う顎関節症が改善できることがある

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